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電気が村にもたらすもの - フィリピンニュース, 現地生活 最新情報発信
   
  電気が村にもたらすもの
 2007年7月から、キープ協会とともに実施してきたカリンガ州パシルでの自然エネルギー普及と環境保全のための農村開発モデル事業が6月で終了しました。この事業は三井物産環境基金の助成をいただいて実現したもの。山岳民族が直面しているエネルギー問題を、身近に豊富にある自然を生かしたエネルギーによって解決するための方法を提案しようというものでした。

 事業のコンポーネントのひとつが、マイクロ水力発電モデル事業。
 バリンシアガオ・ノルテ村にて、森の中を流れる川に、出力15キロワットの小さな水力発電システムを作りました。2007年10月に着工し、村の人たちのボランティア労働に助けられて2009年3月に運転開始。何回か故障がありましたが、現在は無事に稼働中で、村の家々に灯りがやってきました。
 これはもう村の歴史にとっては画期的なことです。
 

          ↑村にはじめてついた電球!

 どこもかしこも過剰に照らされ、暗闇を探すのがたいへんな日本では、明かりのない暮らしは想像するのさえ困難です。日本人である私にとって、灯りがともって村の暮らしが便利になったと実感するのは、
・夕食のために調理しているナベの中身が確認できる。
・日が暮れてからでも、本や新聞が読める。
・夜間、トイレに行くのに手探りで行く必要がない。
という感じでしょうでしょうか?
 

       ↑マイクロ水力発電の発電所とパイプ

 暗闇に慣れている山の村の人の目のよさは、ニッポンの町育ちの上、近眼、さらに老眼さえもちょっと加わっている私とは勝負にならない動物的なもので、私にはただただ真っ暗闇にしか思えない夜間でも、ものすごいスピードで山道を歩いていきます。それでも、月のない夜には、松から作った松明を灯すか、お金があれば町で買ってきた灯油を入れた空き瓶と古Tシャツの芯で作った手作り灯油ランプで灯りをとるかしなくてはなりませんでした。灯油代は、ほとんど現金収入のない村人にはなかなか手に入れることのできないものでしたし、手作り灯油ランプの煙は真っ黒でどこから見ても健康に悪いのは明らか。電気が引かれたことでこれらの問題が解消されました。
 

       ↑土木作業は村の人たちのボランティアで行われました。

 もうひとつ、電気がもたらした大きなメリットは、携帯電話の充電ができるようになったことかもしれません。
そう、先住民族の暮らす山奥深い電気のない村でも、たくさんの人が携帯電話を持っている時代なのです! 携帯電話の充電は、今までは、村で唯一小さな発電機を持っているよろずや(サリサリストア)に行ってお金を払って充電してもらうか、町に行く人に携帯電話を預けて、町に滞在している間に充電してもらって持って帰ってきてもらうしかありませんでした。
 電気のない山の村では、「携帯電話を持っている」のと「携帯電話が通じる」というのはまったく一致しないこと。携帯電話を持っていてもそれが充電された状態にあるということはまれなことだったりするわけです。だから、電気のない村の人に連絡をとりたい場合は、あらかじめその村の携帯電話を持っている人の番号をいくつも調べておいて、伝えたいことのあるAさんの電話が充電していなくて通じなければ、Bさんの電話、それでもだめならCさんの電話とかけ続けなければなりません。Cさんの電話が通じたら、Aさんのうちまで行ってもらって、電話がかかってくるから充電してまっているように伝えてもらうというわけです。
 

     ↑棚田の中での電柱設置作業です

 ちなみに、山岳地方に限らずフィリピンでは携帯電話を通話のために使っている人はまれで、ほとんどの人がショートメッセージ(SMS)を送るためにしか携帯を使いません。通話代はこちらの物価を考えるとものすごく高いうえに、会話している間にいくら使ってしまったかわからないというわけです。SASなら1回1ペソ(2円)などで、わかりやすい。20ペソ(40円)で24時間以内なら110回までSMS送り放題などなどお得なシステムもいろいろあって、もっぱら携帯電話はSMS専門です。実のところ、山の村では携帯電話で通話ができるということを知らない人もいるのではないかと疑っています。

 ついでに言うと、村の人の携帯電話になんとかSMSを送れたとしてもけっして返信を期待してはいけません。こちらの電話はほとんどすべてプリペイド式なのですが、電話を持っていてもプリペイドの電話代を払えない人が多く、1ペソ(2円)でできるはずの返信もで返ってこないというわけです。つまり、携帯電話はひたすらSMSの受け専門というわけです。(そういう国だからこそ、便利なシステムがあって、返信がほしいときは電話代をSMSでプレゼントすることができます。YESかNOかの返事だけほしいときは、SMSを送ると同時に1ペソ分プレゼントすればいいわけ)。

 携帯電話といえば、5月にマウンテン州バーリグのリアス村に行ったときも、村のたくさんの人が携帯電話を持っていたのに驚きました。なぜならこの村は電気はあっても電波が届かないのですから。
「携帯電話が持っているのは、電話としての機能だけじゃないんだよ。わしにとってケータイは便利な目覚まし時計とラジオなんだ」と村のおじさん。なるほど。
「たまに町に行ったときには電話としても使えるしな」
 

   ↑バーリグの中心。携帯電話の電波は届きません。

 このバーリグは、役場のある郡の中心も携帯電話の電波が届きません。役場で話した郡議会議員のおじさんによると、
「そのうち、“ケータイの電波の届かないバーリグ!”を売りにして、観光宣伝するよ。“あなたをケータイ電波から解き放つ村!”ってキャッチフレーズで」
 

   ↑ケータイの電波なくとも、すばらしい森は残っています。
    ここがイサベラ州に流れるシフ川の水源です。

「それにケータイ持っていないのもいいよお。用事があったらまず歩いて会いに行くって習慣が今もあるからねえ。ピッピッピと親指で簡単に用事を済ませない。会って噂話しながら用事を済ます。実際にはその歩くってのも、時には片道5時間なんだけどねえ」
1日ひとつの用事を済ませばそれで満足という村の暮らしです。
 

     ↑ケータイの電波なんてなくても、リアス村の子供たちには
     自然という遊び相手があります。    

 郡議会議員のおじさんは続けます。
「それに、ケータイがないと、大きな声を出す訓練にもなるよお。用事のある相手がわりと近所だったら、叫べばいいんだからねえ。だから、バーリグの人は今でも大きな声をだせるよお」
 そういえば、いろいろな山岳民族の子供たちに演劇指導をしてくれた吉田智久さんも言っていました。
「ステージでとおる大きな声が出せるのは、考えてみたら山奥の子供たちばかりなんですよね」って。
  

     ↑バーリグの山の中でも携帯電話会社がタワーの工事をしていました。
      電波の届く日は間近かもしれませんね。

 電気がやってきたバリンシアガオ・ノルテ村。灯りとともに、いつでも充電可能になった携帯電話で村の暮らしは様変わりするかもしれません。山歩きをやめ、大声で叫ぶことがなくなり、うつむきながらひたすら親指を動かす。うううむ、なんだかカリンガ族には似合わないなあ。
 灯りによって、子供たちは夜も本を読めるようになったし、週末や夜間は、テレビとビデオを買った人の家に集まってビデオ鑑賞会(テレビの電波も届きませんから、テレビはもっぱらビデオのため)。少しは、外の世界で起こっていることの情報が入ってきて、悪癖であるトライバル・ワーも減っていくのではないかと期待しています。

 

    ↑マイクロ水力発電のための水を取っている美しい川。
     もちろん、発電に使ったあと、水は元の川に返されます。
     電気が来て、村の暮らしが便利になっても、この美しい自然が保たれていくことを
     心より祈ります。
  Homepage: http://www.ph-inside.com
Updated: 2010/08/05

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