結婚式の儀式を手伝うために、子どもがロング・ドレスを着て参列するのはフィリピンの結婚式では良く見る光景だが、こういう小さな時からロング・ドレスを着ているからフィリピン人のドレスの着こなしは上手いと納得する。

子どもの晴れ着というと、日本には七五三があるが、フィリピンには年齢で晴れ着を着るのはカトリックの洗礼式と『DEBUT』と称されるものが代表的で、洗礼式は乳児の時に親に抱かれて受ける。
一方のDEBUTは元々フランス語から来ていて、社交界に初めて出ることから始まり、色々な世界に初登場することをデビューと称するのは知られ、フィリピンのデビューは元々あった慣習なのか分からないが、スペインの植民地時代に持ち込まれたのではないか。
フィリピンのデビューは18歳の誕生日に行われるが、この18歳というのはフィリピンでは選挙権を持つ『成人』になり、いわば日本の成人式と同じになる。
ただし、このデビューのお祝いは各家庭で財力に応じて行われ、誰でも盛大に行えるものではなく、富裕家庭の催すお祝いは生バンドを入れるなど派手さも極みで、こういったところにフィリピンの格差を感じさせる時でもある。
因みにフィリピンのこの手のお祝いパーティーは、主催者が全部負担し、招待された客は気の利いた者は贈り物を持ってくるが、多くは手ぶらで食べて飲んでサッサと帰って行くのがこちら流。
お祝いは祝ってもらうものと思っている小生など、自腹で人を呼んで飲み食いさせるなど、いまだ持って馴染めないが、こちら流とあっては仕方がないと諦めている。
さて日本の成人は、この間20歳から18歳にすると法律が改定されたが、施行されるのは2020年となっているので今の16歳から適用となるが、この2年間の差というのは現在の18~19歳にどう作用するのであろうか。
日本の七五三のことに触れたが、小生が覚えているのは5歳の時で、ネクタイを締めて近所の神社に行った記憶があり、社殿に昇ってお祓いを受けたような記憶を持ち、祭壇中央に置かれた光る鏡の印象が強く残っている。
しかし、5歳時と書いたが七五三は数え年で行うので、これだと満4歳になり、そんなに小さな時の記憶が残っているのかと疑問を持つ。
今思うに、親は数え年ではなく、満年齢の5歳で七五三をしたのではないかと思い、これだと幼稚園に行っていた時で、この幼稚園時代というのはかなり記憶が残っていて平仄が合う。
さて、日本の晴れ着というと成人式に着る晴れ着が代表的で、特に女性がこの日に着る振袖は一生一度と今なお人気は高いが、一生に一度ならより簡素にという発想があっても良いのではないか。
この日本の成人式の晴れ着では、先頃成人式の晴れ着を扱う会社が式前日に雲隠れしてしまい、晴れ着を楽しみにしていた女性が悲嘆に暮れているという日本のニュースが流れた。楽しみにしていた人は気の毒と思うが、成人式に振袖を着るなどいい加減に止めた方が良いのに、こういう声は少数派であまりそういった声は聞こえなかった。
今の日本の若者の未来はどう見ても暗く、せめて一時でも良い思いをさせたいというのが親の根底にあるから、虚飾そのものの成人式、結婚式、各種パーティーなどが派手になってしまう日本となるのであろう。

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