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ミンダナオ島の不安定要素 - フィリピンニュース, 現地生活 最新情報発信
   
  ミンダナオ島の不安定要素
 

フィリピン南端にあるミンダナオ島は資源に恵まれ、台風の襲来も少なく農業に適し、日本へ輸出されるフィリピン産バナナやパインアップルの大農場に日本の資本が入り開発、運営されている。




 フィリピンではルソン島に続く大きな島のため開発されていない地域も多く、数年前にミンダナオ島南部へ旅行に行った時に、幹線道路の造りが広くて車も少なく、セブのようなせせこましい都市部から来るとその空間の広さには驚かされた。

 このミンダナオ島、16
世紀にフィリピンへキリスト教のカトリックが入ってくる前はイスラム教の地盤で、最盛期には島伝いにマニラ近辺まで伝播北上し、イスラム教の勢力が優勢な時期もあった。

 そのため、その歴史的な背景からミンダナオ島にはカトリックが多数派を占めるようになってもイスラム教徒の多い地域が多く残り、そういった地域では後から勢力を増したキリスト教徒との間で争いが絶え間なかった。

 本来、どちらの宗教も他宗教には寛容な教義を持っているが、そこに割り込み両者を分断したのが『利権』で、これは土地を巡ってが主で、土地そのものの所有とそこから上がる資源利益を巡っての争いは激しかった。

 ミンダナオ島のイスラム教徒は少数民族が多く、この少数民族には昔から土地を私有するという概念はなく、反対にキリスト教徒は土地私有は当たり前の概念で、元々少数民族の土地であったミンダナオ島の土地を次々と合法という名の元に略奪を繰り広げた。

 

これから両者間の軋轢は高まる一方で、そういった状態が何百年も続いて近代になり、やがてキリスト教徒のミンダナオ島への移民が政策的に進められ、それが極端に現れたのが独裁者マルコスの時代である。

 マルコスはルソン島最北端にある北イロコス州の出身で、この州はルソン島では最も貧しい州と言われ、今や国策となっている海外出稼ぎ労働者は北イロコス州から始まったとまで言われる歴史を持つ。

 マルコスの時代は今に続く海外出稼ぎを政策的に行いながら、またルソン島の貧しい層を積極的にミンダナオ島へ開拓民として送り込み、これは今も続き、実際ミンダナオ島で出身地を聞くとミンダナオ島以外の出身地がかなり多い。

 そのため、ミンダナオ島の少数民族は政府や開拓民に土地を取り上げられ迫害され、時には軍によるイスラム教徒への大量虐殺事件を起こされながら追い詰められ、それに対して1970年代にイスラム教徒側の武装闘争が始まった。

 この1970年代というのは現代フィリピン史で特筆される時代で、1972年に戒厳令が出、反マルコス闘争として毛沢東主義に影響された共産党主導の『新人民軍=NPA』が各地で結成された時期と重なり、マルコスの独裁がなければ今に続く内戦のような紛争は起きなかったと言われるが、今更さら言っても遅い。

 

 最初の反政府イスラム武装組織はモロ民族解放戦線(MNLF)で、ミンダナオ島からのイスラム地区独立を標榜し政府軍と激しい戦闘を続けたが、ラモス政権の1996年に和平協定が結ばれ、住民投票などを経てMNLFのミスアリ議長を知事とする南部4州の自治地域(ARMM)が発足する。 

 

 しかし、このARMMは不完全な自治組織で、しかもミスアリ以下幹部の無能力と腐敗で有名無実となり、かえって自治政府に巣食う地元有力者の力を増しただけで、これが極端に表れたのが、2009年11月に起きた『マギンダナオ虐殺事件』となる。

 

 この事件はARMM知事とARMMを構成するマギンダナオ州知事を出す、地元の有力一族が私兵団を使って、次の選挙に出る対立候補の一行を襲撃し、57人が殺害され、特に同行した報道陣が大量虐殺に遭い、国際的にも問題になった。

 MNLFの腐敗と政府と妥協する路線の反発から1981年に生まれたのが『モロ・イスラム解放戦線(MINF)』で、この組織が現在に続くミンダナオ島内戦の主役となるが、MNLFもミンダナオ島の島嶼部で組織は根強く活動を続けた。

 

 アキノ政権になって2011年8月、MILF議長との電撃会談が成田空港で行われ、政府とMILFとの和平が進み、2014年3月に双方が包括和平協定に調印し、新たなイスラム教徒自治区発足の道が開かれた。

 

 この時に、日本はイスラム教にもキリスト教にも組みせず、戦乱には中立という理屈で、ミンダナオ島へODA事業を展開させるが、その衣の下はミンダナオ島の豊富な資源を狙った日本の戦略がありありで、『人道的支援』という言葉は色褪せている。

 

 しかしこの新自治区創設は憲法に抵触するなど横槍を入れられ、成立したのはアキノ政権の次のドゥテルテ政権で、本人はミンダナオ島のダヴァオ市長であったから強力に推進したと言っているが、アキノ政権の地道な努力に乗っかっただけに過ぎない。

 

 成立したのは『バンサモロ基本法(BOL)』といって、これは同自治区に外交と国防以外は自治政府に権限を与えるという方法で、自治区内の法律もキリスト教徒にはフィリピンの現行法を、イスラム教徒にはイスラム法を適用するという、いわばフィリピン版『一国二制度』になる。

 そうして新ARMM創設のための帰属地域を決める住民投票が関係州と地域で1月20日に行われ、投票の結果は総投票数198万票に対して賛成が148万票となり、投票した地域のARMM加入が決まった。

 

 ただし、この住民投票は州や地域毎の賛成、反対の結果は考慮されていなくて、投票の多数を占めた側に軍配が上がる方式を取っていて、そのため今回の投票では島嶼部のスールー州では反対派が52%となり、別のバシラン州州都のイサベラ市でも反対派が多数を占めながらもARMM加盟となった。

 

 そのためかどうか因果関係は判明しないが、スールー州の州都ホロ市で1月27日、早朝ミサを行っていたカトリック大聖堂内と外で爆弾が炸裂し、死者22人、重軽傷者110人以上という事件が発生した。

 

 この事件はその後の捜査でインドネシア人夫婦による自爆テロではないかとの見方も出ていて、事件後に『イスラム国(IS)』が犯行声明を出しているが、スールー州に根を張る犯罪集団『アブサヤフ』の関与も取り沙汰されている。

 

 この事件の3日後の1月30日の深夜、ミンダナオ島サンボアンガ市にあるイスラムのモスクに手榴弾が投げ込まれ、イスラム教関係者2人が死亡、数人が負傷する事件が起きた。

 

 この事件はホロ市のカトリック教会爆破はイスラムの人間だとするするキリスト教徒による犯行ではないかと見られ、それが事実なら両者による血で血を洗う報復合戦が始まっているのは間違いない。

 

 ミンダナオ島の紛争は反政府の大きな集団が分裂の繰り返しで、BOL制定に漕ぎつけたMILFにしても不満を持つグループが新たな武闘組織を結成し、その中の強硬派がまた分裂を繰り返す歴史を持つ。

 

 そういった隙間にマレイシアやインドネシアからの武闘グループが合流し、それが極端に出た事件が2017年5月から10月まで発生した南ラナオ州州都『マラウィ市占拠事件』で、この事件は内戦といって良い政府軍とイスラム武闘派との間に激しい戦闘が繰り広げられ、双方で1100人以上の死者を生じ、難民は100数十万人に上がった。

 

 このイスラム武闘派は地元の有力者家族が中心になりアブサヤフなどが合流し、市街戦を生じたが、強固な戦闘陣地を築くなど武闘派の事前準備はかなり大規模で、こういった動きが政府側に分からなかった点にも大きな問題はあるが、空爆も行う政府軍は戦争の実戦練習をしているのではとも思えた。

 


 このようにミンダナオ島の平和は果たして本当に実現するのかと危ぶむところもあるが、フィリピンで最も貧しいと言われるイスラム教徒地域が貧困から抜け出すにはこの平和が不可欠でこれからも目を離せない。


  Homepage: http://cebushima-blg.jugem.jp/
Updated: 2019/03/01 (金)

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