フィリピンが丸見え!最新ニュース, 地域・生活情報発信!
[]  01-01
[]  01-01
[]  01-01
フィリピンニュース
   

ニュース
政治
経済
社会/文化
ニュースの壺
インタビュー
情報
概況
歴史
政治/政府
地方行政
統計資料
歴代大統領
国民的英雄
地図
コラム
セブ島工房
英語学校奮闘記
大野のブログ
ICANまにら
KAZU
JRエクスプレス
マニラ社長
BUNBUN
ダルマ大将
志乃(Shino)
反町真理子
RYO
ダイチャング
あん
ライフ
・生活情報 
・CEBU   ・MANILA
・CLARK  ・BAGUIO
・DAVAO  ・ILOILO
・BACOLOD
・他の地域
PR
 
ミンダナオ島の不安定要素 - フィリピンニュース, 現地生活 最新情報発信
   
  ミンダナオ島の不安定要素
 

フィリピン南端にあるミンダナオ島は資源に恵まれ、台風の襲来も少なく農業に適し、日本へ輸出されるフィリピン産バナナやパインアップルの大農場に日本の資本が入り開発、運営されている。




 フィリピンではルソン島に続く大きな島のため開発されていない地域も多く、数年前にミンダナオ島南部へ旅行に行った時に、幹線道路の造りが広くて車も少なく、セブのようなせせこましい都市部から来るとその空間の広さには驚かされた。

 このミンダナオ島、16
世紀にフィリピンへキリスト教のカトリックが入ってくる前はイスラム教の地盤で、最盛期には島伝いにマニラ近辺まで伝播北上し、イスラム教の勢力が優勢な時期もあった。

 そのため、その歴史的な背景からミンダナオ島にはカトリックが多数派を占めるようになってもイスラム教徒の多い地域が多く残り、そういった地域では後から勢力を増したキリスト教徒との間で争いが絶え間なかった。

 本来、どちらの宗教も他宗教には寛容な教義を持っているが、そこに割り込み両者を分断したのが『利権』で、これは土地を巡ってが主で、土地そのものの所有とそこから上がる資源利益を巡っての争いは激しかった。

 ミンダナオ島のイスラム教徒は少数民族が多く、この少数民族には昔から土地を私有するという概念はなく、反対にキリスト教徒は土地私有は当たり前の概念で、元々少数民族の土地であったミンダナオ島の土地を次々と合法という名の元に略奪を繰り広げた。

 

これから両者間の軋轢は高まる一方で、そういった状態が何百年も続いて近代になり、やがてキリスト教徒のミンダナオ島への移民が政策的に進められ、それが極端に現れたのが独裁者マルコスの時代である。

 マルコスはルソン島最北端にある北イロコス州の出身で、この州はルソン島では最も貧しい州と言われ、今や国策となっている海外出稼ぎ労働者は北イロコス州から始まったとまで言われる歴史を持つ。

 マルコスの時代は今に続く海外出稼ぎを政策的に行いながら、またルソン島の貧しい層を積極的にミンダナオ島へ開拓民として送り込み、これは今も続き、実際ミンダナオ島で出身地を聞くとミンダナオ島以外の出身地がかなり多い。

 そのため、ミンダナオ島の少数民族は政府や開拓民に土地を取り上げられ迫害され、時には軍によるイスラム教徒への大量虐殺事件を起こされながら追い詰められ、それに対して1970年代にイスラム教徒側の武装闘争が始まった。

 この1970年代というのは現代フィリピン史で特筆される時代で、1972年に戒厳令が出、反マルコス闘争として毛沢東主義に影響された共産党主導の『新人民軍=NPA』が各地で結成された時期と重なり、マルコスの独裁がなければ今に続く内戦のような紛争は起きなかったと言われるが、今更さら言っても遅い。

 

 最初の反政府イスラム武装組織はモロ民族解放戦線(MNLF)で、ミンダナオ島からのイスラム地区独立を標榜し政府軍と激しい戦闘を続けたが、ラモス政権の1996年に和平協定が結ばれ、住民投票などを経てMNLFのミスアリ議長を知事とする南部4州の自治地域(ARMM)が発足する。 

 

 しかし、このARMMは不完全な自治組織で、しかもミスアリ以下幹部の無能力と腐敗で有名無実となり、かえって自治政府に巣食う地元有力者の力を増しただけで、これが極端に表れたのが、2009年11月に起きた『マギンダナオ虐殺事件』となる。

 

 この事件はARMM知事とARMMを構成するマギンダナオ州知事を出す、地元の有力一族が私兵団を使って、次の選挙に出る対立候補の一行を襲撃し、57人が殺害され、特に同行した報道陣が大量虐殺に遭い、国際的にも問題になった。

 MNLFの腐敗と政府と妥協する路線の反発から1981年に生まれたのが『モロ・イスラム解放戦線(MINF)』で、この組織が現在に続くミンダナオ島内戦の主役となるが、MNLFもミンダナオ島の島嶼部で組織は根強く活動を続けた。

 

 アキノ政権になって2011年8月、MILF議長との電撃会談が成田空港で行われ、政府とMILFとの和平が進み、2014年3月に双方が包括和平協定に調印し、新たなイスラム教徒自治区発足の道が開かれた。

 

 この時に、日本はイスラム教にもキリスト教にも組みせず、戦乱には中立という理屈で、ミンダナオ島へODA事業を展開させるが、その衣の下はミンダナオ島の豊富な資源を狙った日本の戦略がありありで、『人道的支援』という言葉は色褪せている。

 

 しかしこの新自治区創設は憲法に抵触するなど横槍を入れられ、成立したのはアキノ政権の次のドゥテルテ政権で、本人はミンダナオ島のダヴァオ市長であったから強力に推進したと言っているが、アキノ政権の地道な努力に乗っかっただけに過ぎない。

 

 成立したのは『バンサモロ基本法(BOL)』といって、これは同自治区に外交と国防以外は自治政府に権限を与えるという方法で、自治区内の法律もキリスト教徒にはフィリピンの現行法を、イスラム教徒にはイスラム法を適用するという、いわばフィリピン版『一国二制度』になる。

 そうして新ARMM創設のための帰属地域を決める住民投票が関係州と地域で1月20日に行われ、投票の結果は総投票数198万票に対して賛成が148万票となり、投票した地域のARMM加入が決まった。

 

 ただし、この住民投票は州や地域毎の賛成、反対の結果は考慮されていなくて、投票の多数を占めた側に軍配が上がる方式を取っていて、そのため今回の投票では島嶼部のスールー州では反対派が52%となり、別のバシラン州州都のイサベラ市でも反対派が多数を占めながらもARMM加盟となった。

 

 そのためかどうか因果関係は判明しないが、スールー州の州都ホロ市で1月27日、早朝ミサを行っていたカトリック大聖堂内と外で爆弾が炸裂し、死者22人、重軽傷者110人以上という事件が発生した。

 

 この事件はその後の捜査でインドネシア人夫婦による自爆テロではないかとの見方も出ていて、事件後に『イスラム国(IS)』が犯行声明を出しているが、スールー州に根を張る犯罪集団『アブサヤフ』の関与も取り沙汰されている。

 

 この事件の3日後の1月30日の深夜、ミンダナオ島サンボアンガ市にあるイスラムのモスクに手榴弾が投げ込まれ、イスラム教関係者2人が死亡、数人が負傷する事件が起きた。

 

 この事件はホロ市のカトリック教会爆破はイスラムの人間だとするするキリスト教徒による犯行ではないかと見られ、それが事実なら両者による血で血を洗う報復合戦が始まっているのは間違いない。

 

 ミンダナオ島の紛争は反政府の大きな集団が分裂の繰り返しで、BOL制定に漕ぎつけたMILFにしても不満を持つグループが新たな武闘組織を結成し、その中の強硬派がまた分裂を繰り返す歴史を持つ。

 

 そういった隙間にマレイシアやインドネシアからの武闘グループが合流し、それが極端に出た事件が2017年5月から10月まで発生した南ラナオ州州都『マラウィ市占拠事件』で、この事件は内戦といって良い政府軍とイスラム武闘派との間に激しい戦闘が繰り広げられ、双方で1100人以上の死者を生じ、難民は100数十万人に上がった。

 

 このイスラム武闘派は地元の有力者家族が中心になりアブサヤフなどが合流し、市街戦を生じたが、強固な戦闘陣地を築くなど武闘派の事前準備はかなり大規模で、こういった動きが政府側に分からなかった点にも大きな問題はあるが、空爆も行う政府軍は戦争の実戦練習をしているのではとも思えた。

 


 このようにミンダナオ島の平和は果たして本当に実現するのかと危ぶむところもあるが、フィリピンで最も貧しいと言われるイスラム教徒地域が貧困から抜け出すにはこの平和が不可欠でこれからも目を離せない。


  Homepage: http://cebushima-blg.jugem.jp/
Updated: 2019/03/01 (金)

Share |
 
セブ島工房 ::: フィリピンニュース・情報 Philippines Inside News
 3月11日、セブのリゾート施設が集中するラプラプ市で凄惨な事件が起き、地元は蜂の巣を突っついたように大騒ぎになっている。 【写真は事件のあったマクタン島を飛行場着陸直前の..   | 2019-03-19
【写真-1】    プエルト・プリンセサからエル・ニドまでは陸路で6時間前後かかる長丁場。ホテルを早く出て、写真-1のトライシクルでバス・ターミナルへ。朝早いので交通量..   | 2019-03-16
 犯罪を中心に何でも有りのフィリピンでは、昔から先にやった方が勝ちという世界で、今年の5月13日に投票される全国選挙に向けて、候補者連中とその取り巻きは選挙違反という言葉な..   | 2019-03-13
【写真-1】    ホテルからの出迎えの車が来ないのでトライシクルを捉まえるが、観光客と見るとボッタくり。少し離れた場所から通常値段で写真-1のホテルへ。空港から5分ほ..   | 2019-03-10
 今年の5月13日(月曜日)にフィリピンは、正副大統領を除く上下院議員、自治体首長、自治体議員の選挙が行われ、全国区の上院議員と政党別比例選出下院議員は投票日3ヶ月前に入っ..   | 2019-03-07
【写真-1】    初めてパラワン島へ行ったのはもう20年以上前になるが、その時はパナイ島のイロイロ経由でセブからパラワン島のプエルト・プリンセサ空港には直行便は就航し..   | 2019-03-05
フィリピン南端にあるミンダナオ島は資源に恵まれ、台風の襲来も少なく農業に適し、日本へ輸出されるフィリピン産バナナやパインアップルの大農場に日本の資本が入り開発、運営され..   | 2019-03-01
 台湾へ今年2月下旬に一週間ほど家人と旅行へ行く計画を半年以上前に立て、飛行機のチケットを早々と購入していた。 今までセブから台湾へ行くにはマニラで乗り継がなければなら..   | 2019-02-27
 フィリピン現代史に特筆される『エドサ政変』は1986年2月にあり、この政変は『エドサ革命』と称する向きもあるが、革命とは体制が引っくり返ることを言い、旧体制は温存された結果..   | 2019-02-24
1978年2月18日、東京・四谷で『嫌煙権確立を目指す人びとの会』の発会式があり、これが日本において『嫌煙権』というものが世間に広まる始まりとされている。同年4月に『全国禁煙・嫌..   | 2019-02-20
12345678910,,,137
    
ニュース コラム ライフ
セブ・マクタン島で起きた凄惨..
《断水》 マニラ首都圏の水不..
パラワン島/エル・ニド紀行 ..
《鉄道》 フィリピン国鉄の延..
フィリピン選挙ラプソディー201..
《統計》 人口爆発止まらず ..
パラワン島/エル・ニド紀行 ..
《富豪》 フィリピンから17人..
5月13日の選挙とマルコス一族
《予測》 2019年経済成長率 ..
パラワン島/エル・ニド紀行 ..
《責任》 ワクチン接種を巡っ..
ミンダナオ島の不安定要素
《起工》 フィリピン最初の地..
《頭打》 売れ行き不振続く ..
セブから直行便で行く台湾
【前進】 イスラム自治政府設..
フィリピン現代史『エドサ政変..
《警告》 マニラ湾浄化 沿岸..
フィリピンの喫煙と禁煙
21《強行》 農民切り捨てにつな..
22セブでヴァレンタイン
23【解禁】 資金力と知名度で決..
24フィリピンの今年は選挙年
25【麻疹】 はしか大流行 40日..
26セブで過ごす 『春節』
27【環境】 マニラ湾の汚染対策..
28【選挙】 上院候補者支持率で..
29バタネス紀行 2017 その-(66..
30【苦境】 2018年新車販売台数..
31バタネス紀行 2017 その-(65..
32【調査】 世界最長 フィリピ..
33【暗雲】 ミンダナオ島で相次..
34セブで打つテニスと大坂なおみ..
35【資本】 全日空がフィリピン..
36セブのシヌログとアメリカ大統..
37【選択】 ミンダナオ島の自治..
38バタネス紀行 2017 その-(64..
39【公然】 韓国の違法ゴミ フ..
40セブで観たNHKの『紅白歌合戦』..
41【影響】 韓国造船大手のフィ..
42バタネス紀行 2017 その-(63..
43【掃除】 セブ島北端にある町..
44《警戒》 選挙に備えて 銃器..
45【減退】 2019年のフィリピン..
46《密輸》 セブ港で摘発 日本..
47《人口》 婚外子が半数以上 ..
48《御用》 フィリピンに逃亡の..
49《人権》 日本のバナナ会社『..
50《栄冠》 手放しでは喜べない..
51【不振】 新車の売れ行き 前..
52《麻痺》 理由は何とでもつけ..
53
54
55
56
57
58
59
60
61
62
63
64
65
66
67
68
69
70
71
72
73
74
75
76
77
78
79
80
81
82
83
84
85
86
87
88
89
90
91
92
93
94
95
96
97
98
99
100
《人権》 日本のバナナ会..+ 4838
《麻痺》 理由は何とでも..+ 4585
《栄冠》 手放しでは喜べ..+ 3969
《人口》 婚外子が半数以..+ 3926
《御用》 フィリピンに逃..+ 3325
【不振】 新車の売れ行き..+ 3306
《密輸》 セブ港で摘発 ..+ 2970
【減退】 2019年のフィリピ..+ 2833
《警戒》 選挙に備えて ..+ 2340
【影響】 韓国造船大手の..+ 2075
【掃除】 セブ島北端にあ..+ 2047
【選択】 ミンダナオ島の..+ 2032
【公然】 韓国の違法ゴミ..+ 1969
セブでパスポートを更新す..+ 1963
バタネス紀行 2017 その-..+ 1941
マニラ逍遥 2018年 その(1..+ 1894
バタネス紀行 2017 その-..+ 1871
【暗雲】 ミンダナオ島で..+ 1660
【資本】 全日空がフィリ..+ 1620
【選挙】 上院候補者支持..+ 1464
21バタネス紀行 2017 その-..+ 1442
22【調査】 世界最長 フィ..+ 1426
23【解禁】 資金力と知名度..+ 1411
24【麻疹】 はしか大流行 40..+ 1383
25バタネス紀行 2017 その-..+ 1299
26【環境】 マニラ湾の汚染..+ 1228
27【苦境】 2018年新車販売台..+ 1201
28パラワンからセブに帰る飛..+ 1190
29バタネス紀行 2017 その-..+ 1055
30バタネス紀行 2017 その-..+ 1032
31セブで観たNHKの『紅白歌合..+ 1002
32《強行》 農民切り捨てに..+ 949
33バタネス紀行 2017 その-..+ 880
34セブのシヌログとアメリカ..+ 823
35《起工》 フィリピン最初..+ 760
36【前進】 イスラム自治政..+ 753
37《警告》 マニラ湾浄化 ..+ 720
38セブで打つテニスと大坂な..+ 693
39バタネス紀行 2017 その-..+ 676
40《頭打》 売れ行き不振続..+ 670
41《責任》 ワクチン接種を..+ 649
42バタネス紀行 2017 その-..+ 638
43セブで過ごす 『春節』+ 562
44《予測》 2019年経済成長率..+ 556
45フィリピンの今年は選挙年+ 473
46フィリピンの喫煙と禁煙+ 398
47セブでヴァレンタイン+ 370
48《富豪》 フィリピンから17..+ 369
49《統計》 人口爆発止まら..+ 294
50セブから直行便で行く台湾+ 258
51《鉄道》 フィリピン国鉄..+ 158
52《断水》 マニラ首都圏の..+ 119
53+
54+
55+
56+
57+
58+
59+
60+
61+
62+
63+
64+
65+
66+
67+
68+
69+
70+
71+
72+
73+
74+
75+
76+
77+
78+
79+
80+
81+
82+
83+
84+
85+
86+
87+
88+
89+
90+
91+
92+
93+
94+
95+
96+
97+
98+
99+
100+
フィリピン留学情報
MAAS!留学
セブ島留学・セブ留学ならMAAS!(マーズ)留学へ
メルマガ購読(無料)

メールアドレス(半角) 
Share |
会社紹介お問い合わせお知らせディレクトリ
全体:764,143 今日:124 昨日:206
PH-INSIDEに掲載の記事・写真の無断転載を禁じます。すべての内容は日本の著作権法並びに国際条約により保護されています。
E-mail: help@ph-inside.com
Copyright (C) 2002 ph-inside.com. All rights reserved.