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台風『ヨランダ』から7年 進まぬ被災者住宅 - フィリピンニュース, 現地生活 最新情報発信
   
  台風『ヨランダ』から7年 進まぬ被災者住宅
 

 201311月8日、100年に一度といわれた巨大台風『ヨランダ(30号)』がヴィサヤ地方を襲い、未曽有の被害をもたらし、それから丸7年経ったが、セブの新聞で報道されなければ思いだせない程過去になってしまった。

【写真-1 被災直後のセブ島北部

 このところ、フィリピンは台風『キンタ(18号)』、『ロリー(19号)』と続いて襲来し、既に21号まで発生していて、フィリピンは台風の名称をアルファベット順に名付けるが、アルファベットは26文字だから27号以降はAに戻るかと思うがどうも違うようだ。

 ヨランダは日本式にいえば台風30号で、アルファベットは一巡しているために順番としてはDから始まるはずだが、25番目のYYOLANDAとなっていて、その辺りは良く分からない。

 この台風の名付け方だが、アジア名では『HAIYAN(ハイエン)』となっていて、これは海燕を意味する中国語だが、何故中国がアジア名として命名しているのか分からないが、中国のアジア地域の影響力は気象観測にも及んでいることが分かる。

さて、先述した2つの台風によってルソン島南部地方は大きな被害を受けたために、『国家災害事態宣言』を発令するなどと政府は動いているが、この宣言が出ると災害被害に対して政府予算が使えるようになる。

セブ都市圏は上述の2つの台風通過時には、少し雨が断続的に降り、鬱陶しい空模様が続いてだけで、常習的に台風被害を受けるセブ島北部を除いてほとんど影響はなかった。

日本では台風通過後に『台風一過』という言葉があるように、清々しい青空の広がる天気になるが、フィリピンは台風通過後にどういう訳かグズグズした天気が残ることが多く、台風一過という言葉は当て嵌まらない。

冒頭に書いたヴィサヤ地方というのはセブ島、レイテ島、サマール島、ネグロス島など近辺の島と州で、言語的にはヴィサヤ語を話し、これは中央の言語であるタガログ語より母語としては多い。

【写真-2 まだ出来なセブ島北部に建設中の被災者住宅

日本へ向かう台風の発生海域としてサマール島東沖海域であることは知られているが、そのために発生した台風の通り道のレイテ島、ルソン島が文字通り『台風銀座』となり、それより少し南部になるセブ島が台風コースによって被害を受けることになる。

この極端であったのが『ヨランダ』で、フィリピンだけでも死者・行方不明7300人以上、これは1991年の台風『ウリン(24号)』の時の死者5100人を遥かに上回り、この時の台風はセブ都市圏を直撃し都市機能が麻痺し、飛行場が閉鎖されて観光客が帰れないなど大問題になった。

その後どういう訳かセブ都市圏には大きな台風は襲来していなくて、台風被害は生じていないが、ヨランダがあと50キロほど南の進路を取っていたらウリン以上の大被害を受けていたのは間違いなく、単に運が良かっただけである。

さて7年も経てば、ヨランダで被害を被った家屋や折れた樹々も復活していると思うが、確かに自然の復元力は強く、丸裸になっていた野山は元通りになっているが、被災した人々用の住宅建設はなかなか進んでいないことが明らかになっている。

ヨランダによって住まいを失った人々のために政府は恒久的な被災者住宅を建設しているが、その必要数はセブ地域で22423軒と見積もられたが、7年経った11月現在、完成したのは9800軒と最近発表された。

当初目標の22432軒も予算不足のために削られ、現在は20700軒を建設するようになっているが、完成した割合は47%と半分も達成していなくて、怠慢の何物でもないことが明らかになっている。

セブ地域で完成した住宅の割合だが、セブ島本土側が5775軒、セブ島北部にあるバンタヤン島が4001軒となっているが、その内、実際に被災者が住んでいるのはセブ本土で1388軒、バンタヤン島で797軒でほとんどが空き家になっている。

【写真-3 不便な荒野に造って被災者を馬鹿にしているのではないか 

建物が完成しても被災者が入居しないのは、水道と電気が引かれていなくて住むことが出来ないためで、こういうことを平気で発表する政府機関のやる気もどうかと思うが、ともかく遅々として進んでいないことは分かる。

写真-2と写真-3はセブ島北部に建設中の被災者住宅であるが、周りはサトウキビ畑しかなく買い物一つ出来ない荒野でどう見ても住むには良い所と思わないが、建設数を稼ぐためにこういう不便な所に造っているのが実情の様だ。

この写真を撮ったのは昨年の10月で、既に1年以上経っているが、コロナ禍でこの地方に行くことが出来ずその後どうなっているのか分からなく、当局が発表した電気と水道が引かれていない被災者住宅の一つなのではないか。

そういう役所の都合はともかく、被災して7年間も被災者はどこに住んでいたのか気になるが、大方急場しのぎの家を再建して住んでいることと思うが、そうなるとわざわざ不便な場所に造られた被災者住宅に移り住むかどうか疑問である。

被災者としての入居権利はあると思うから、書類上は入居したことにしてそれを他人に又貸しすることを考えている人が居ても不思議ではなく、大っぴらにやられているような気もする。

何しろ、コロナ対策に使われた予算を途中でネコババする役所の人間が続出し、全国的な健康保険を扱う公社のトップ以下幹部が、やはり汚職で解任されるなどフィリピンでは『火事場泥棒』行為は珍しくなく、上が上なら下も見習うようだ。

ヨランダの被害直後には日本のNGOも被災者支援でずい分入ったが、その活動も一時で今は活動の痕跡は全く見られず、NGO活動もダボハゼと同じで、何でも喰い付くことで活動を維持しているように見えなくもない。


  Homepage: http://cebushima-blg.jugem.jp/
Updated: 2020/11/13 (金)

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