フィリピンの自治体は町、市、それを統括する州があり、現在州の数は81で、この州も人口増加や政治的思惑で新しく州が生まれたり廃止、統合されているが、特に多いのが州を分割する方法で、最近でも島全部で一州のパラワン州を三分割する住民投票が行われたが、否決された。

政治的思惑と書いたが、州になれば町長から州知事になって政治的見栄と権限は増し、また下院議員も増やすことが出来るから地元に巣食う政治屋連中の利権拡大を狙っての下心が見え見え、他の感情もあってか分割は葬られた。
そのパラワン州は国勢調査では2020年の人口は95万人で、その3倍以上の人口333万人を抱えるセブ州も北、中部、南に三分割の話は昔からあり、こちらも政治屋サイドからは常に上がって来るが、住民側は一つのセブを割ることは感情的に拒否反応が強く止まったままである。
そのセブ州には市は州都のセブ市など9つあり、町は39あるが写真はセブ島で最も北にある町で見かけた物で、フィリピンは町といっても人口は非常に多く、ここの場合9万4000人もあり、日本で3万人程度の人口の市がたくさんあることを考えると、異常なくらい人口を抱えていることが分かる。
この町も10年前は7万人台であった記憶があり、人口爆発のフィリピンといわれて久しいが、こういう地方の自治体レベルの人口増が人口爆発を引き起こしていることは明らかで、コロナ禍で多くの国では出生数が減少しているのにフィリピンは逆で、ベビー・ブームという。
さて、初っ端から政治臭いことを書いたが、今日19日から日本では衆議院選挙運動が始まり、フィリピンでも来年の正副大統領、上下院議員、各種自治体首長及び議員を立候補者受け付けがこの10月上旬に終わり、選挙モードへ突入したことに影響されたようだ。
まあ、そういう生臭いことは置いておいて、写真に戻るがこの町の大きな商店の入り口の横にこれらは置かれていて、日本でも大きなスーパーの出入口に置かれているような記憶を持つが、お金を入れると上下左右に振動する乗り物で、鬼面を驚かす遊具が多い中、最も原初的な乗り物といって良く、懐かしささえ感じる。
左は日本の『キティー』、右は『ドラえもん』を模すというよりそのままで、真ん中の乗り物の正面に『福』と書かれていることから中国製だと思うが、著作権などお構いなしの中国お得意のパクリ商品がこんなセブ島外れの町に設置されていることにも驚かされる。
ドラえもんの方にはカバーがかかったままで、まだ到着したばかりで未使用なのかも知れないが、買い物に来る親と一緒のこども目当てに置いたのは明らかで、その後は分からないがこういう素朴な乗り物でもこの町ではヒットしそうな気はする。
フィリピンも所得が上がった関係上、遊園地など増えているしショッピング・モール内にはこども向けに有料の遊び場所が作られ休日など盛況であったが、このコロナ禍では未成年以下こどもは外出禁止措置が昨年3月以来実施されているから、この手の商売は営業は取り止めどころか消滅しているかも知れない。
フィリピンはカトリックの聖人に合わせてフェイスタ(祭)が年中、各地で行われていて、この辺りは日本の神社仏閣の縁起に合わせた縁日と同じ様なものだが、このフェイスタの開催日に合わせて移動の遊園地が出現する。
町の空き地に移動遊園地は作られるが、小生も知り合いのこどもと一度観覧車に乗ったことがあって、作り自体が華奢で手入れも良くなさそうで今一つ信頼出来ない代物であったが、いざ廻り出したらこんなに速く回して大丈夫かと思うような速度で、一緒に居たこどもなど顔面蒼白今にも吐きそうな表情をしていた。
それでもこういった手作り感のある乗り物は面白いが、フィリピンのフェイスタで目立つのは小銭を賭ける店が多く出ていて、公営ギャンブル以外は許可されていないフィリピンでもこの手の商売は開けるようで、ギャンブル好きの国民性もあってかなりその前は賑やかである。
その賭ける店のやり方は色々あるが、共通しているのは単純な数字合わせで、多いのは容器に投入したボールが賭けた数字に入ったら当たりとなる、本式のルーレットと基本的には変わらない。
写真の乗り物に乗って面白いと思うのは幼稚園くらいのこどもくらいで、小生も記憶をたどると浅草の松屋の屋上にあったこの手の乗り物に乗った記憶があるし、三越や松坂屋といったデパートでも昔はこの手の遊具が置かれていて、小さな遊園地風になっていたが今はそういう風景は消えているようだ。
遊園地といえば浅草の花屋敷などもこどもの時に行っているが、父親の仕事の関係で後楽園遊園地にはずいぶん行った記憶があり、ジェット・コースターなど後楽園で初めて乗り、その他回転する部屋で壁に吸い付く乗り物など記憶に残るが、後楽園球場といった時代で、今ではかなり様変わりしてしまった。
閉園した豊島園にも夏休みに行ってプールの水が冷た過ぎて震えたことも覚えているし、ディズニーランドへも何度も行っているが、行く都度にここがこどもの頃ハゼ釣りに行った浦安であったと思い出すことも多い。

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