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セブから見た4630万円ネコババ男とその町 - フィリピンニュース, 現地生活 最新情報発信
   
  セブから見た4630万円ネコババ男とその町
 

 阿武町という自治体が山口県にあるなど、事件が起きるまではほとんどの人は知らなかっただろうし、小生も地図を見てここにあるのかと思った次第で、日本には市町村の数はどの位あるのかと調べたら、市は792、町は743、村は183の計1718あると分かった。

 


【写真-1 誤送金事件で一躍有名になった阿武町庁舎】

 

 この市町村数も時代と共に大きく変化していて、1888(明治21)年には71314もあり、これを翌年に政府は町村合併を進めてその数15859まで減らし、大正、昭和にかけて減り続け1953(昭和28)年には1万を切る7616までになった。

 

 その後、平成時代には数年ごとに地方自治法を改定して市町村合併を進め、2014(平成26)年に上述の市町村数になり、これを『平成の大合併』と呼ぶらしいが、伝統的な地域の呼び名が消滅した所も多く、それに代わって行政、住民の国語力の衰えから珍奇な名前を付ける自治体が増えた。

 

 さて、山口県阿武町は日本海に面し人口は3000人弱、周りは合併で大きくなった萩市に囲まれ、山口県といえば安倍晋三で分るように自民党王国、衆議院選挙区は山口3区で現外相の将来は首相と目される林芳正の地盤。

 

 そういった中、誤送金問題でつるし上げを食っている町長は山口県内で唯一『イージス・アショア(弾道ミサイル防衛システム)』設置に反対しているというから面白く、異常なつるし上げもこの反対が絡んでいるのかと勘繰ったりする。

 

 こういった情報はインターネット百科の『ウィキペディア』を通じて知るが、ウィキペディアはものによっては事実誤認やいい加減な記載も多く、特に年代や数量などの数字が絡むと誤表記も多く、要注意でまともに信じては危険である。

 

 日々、日本のニュースを読んで知らない、聞いたこともないような自治体名には興味を覚え都度検索しているが、日本にはたくさんの市町村があるのだなと思うが、どの市町村も人口は右下がりに減っていて、日本の人口減は待ったなしということが分かる。

 

 さて、標題に入るが事件は4月3日に、コロナに関連する国の給付金10万円の振り込みを非課税世帯の463人に対して町が銀行に振り込むように依頼するが、6日になって町は本件で後に逮捕された24歳の人物の名前と4630万が記載された振込依頼書を銀行に提出し、この人物になったのはたまたま都市銀行口座の最初に名前が載っていたためで蓋然性は全くない。

 

 銀行は町の指示通りに4月8日に振り込みを行うが、同日午前10時前に銀行から町に対しておかしいとの連絡が入り、町は間違いに気付き誤送金先の人物に接触し、同日にこの人物と町職員は口座のある銀行へ行くが、ここで容疑者は気が変わって町の目論見は不首尾に終わった。

 

 それから一週間経った15日にこの人物の依頼した弁護士から近日中に返還するとの連絡が入り、ここで町当局は誤送金の事実を記者会見を開いて発表し、ここからこの事件は全国的な話題になるが、一週間も隠していたことに批判が集まり、誤送金の原因を巡ってあれこれ詮索される羽目に陥る。

 

 21日になって、町職員がこの人物の借りていた家を訪れると『金はもうない。罪は償う』といわれ、この人物のネコババは発覚するが、その使い方に注目が集まり『オンライン・カジノ』で使ったといい、誤送金問題は『ギャンブル』という別の問題も引き起こした。

 


【写真-2 事件ばかり注目されているが同町にはこんな名勝がある】

 

 今回のような誤送金によるネコババ事件はなかなか現行法の適用は難しかったらしいが、5月18日になってこの人物は山口県警によって『電子計算機使用詐欺』という聞き慣れない罪名で逮捕され、容疑者となり名前と年齢など個人情報が明らかにされる。

 

 誤送金のあった日から容疑者は11日間で計34回出金を繰り返し、すぐに町当局は口座の仮差し押さえをすればまた事態は変わったのかも知れないが、容疑者はほとんどを決済代行業者を通じてカジノに注ぎ込んだといい、容疑者の銀行口座には6万円余しか残っていなく、巷間では貧困層に属する容疑者はどのように弁済するのかとあれこれ話題になる。

 

 ところが、容疑者逮捕の翌日の19日に町職員が決済代行業者3社の事務所に行き、容疑者が国民健康保険などが未納を理由に、税法上に沿って3社に対して取り立て、差し押さえの書類を渡したところ、翌20日に3社から誤送金の9割相当に当たる4299万円が町に送金された。

 

 この送金が返還なのか単なる建て替えなのか定かではないが、容疑者がカジノで使ってしまった話が嘘で、実は決済代行業者の容疑者の口座には金が隠匿されていたとか、業者が実はノミ行為をしていたとか、違法ギャンブルの実態を暴かれるのを怖れて慌てて金を返したなど、憶測は深まるばかり。

 

 この騒動で分かったが、日本は公営ギャンブル以外はいかなるギャンブル行為も御法度で、それはオンライン・ギャンブルも含まれ日本から賭けると違法行為になるとのことで、この手のスレスレで展開している業者はこの誤送金問題で一端が暴露されて慌てているのではないか。

 

 こういう表向きは博奕御法度でも、リゾートと組み合わせた博奕リゾートを日本に造ると法制化され、現に大阪と長崎が誘致に立候補しているが、博奕の危険性というのはいまさら言うまでもなく、リゾートなどというオブラートで包んで博奕を容認するとは日本も駄目になった。

 

 また、競馬、競艇、競輪などの公営ギャンブルの売り上げはコロナ禍で最高の伸びを示し6兆円近く、これにパチンコ業界を加えると年間15兆円、両方合わせて20数兆円がギャンブルに使われていて日本は『博奕天国』でわざわざカジノなど引っ張ってくる必要のない国でもある。

 

 当然、ギャンブル依存症の数は多く、500万人を超す統計もあって、日本のアルコール依存症は100万人に満たないことを考えると、ギャンブル依存症は大きな問題であることが分かり、両方に依存して事件を起こすことも多い。

 

 フィリピンは博奕天国で、国自身が国策として推進しているために博奕リゾートは山ほどあり、チョッと大きいホテルだと中にカジノを構え、誤送金で問題になったオンライン・カジノも国が特区を作るくらい入れ込んでいて、当然闇オンライン・カジノの跋扈が社会問題になっている。

 


【写真-3 誤送金事件で佐々木小次郎の墓があると分かる】

 

 フィリピンで博奕をする人間は国内で博奕が規制されている中国人、韓国人、日本人が多く、オンライン・カジノも同様で、携わる会社は従業員に中国人、韓国人を多く雇うが、正規でやっているカジノはともかく闇カジノなど中国人、韓国人の不法就労者が多く時々入管による摘発があって摘発人数は一度に三桁の人間に及び、かなりこの闇世界は深く広い。

 

 さて、今回の事件は誤送金された相手がたまたま性質が悪く、普通であったら誤送金に気付いたら銀行なり町に連絡して事態を丸く収めるだろうと思い、実際小生にこの様な誤送金があったら金額に関係なくネコババはせず、今回の事件では『性善説』を信じる人には痛い出来事ではないか。

 

 こうして事件は思わぬ展開に転んで行ったが、阿武町には山陰本線が通っていて、町内に駅を3つも持つが、写真-2は町内同線の惣郷川橋梁(そうごうがわきょうりょう)上を走る列車の様子で、写真で分るように鉄道ファンには絶好の撮影ポイントになっている。

 

 同橋は戦前の1931(昭和6)年に架橋され、全長189m、基礎下部が潮の状態で漬かるためにかなり高い鉄筋コンクリート造りで、同じ山陰本線の『旧余部鉄橋』と並ぶ名物鉄橋で、2001年には日本土木学会から土木遺産として認定されている。

 

 日本海に面した阿武町はあまり特徴のない町に感じるが、『佐々木小次郎』の墓が町内の寺にあるというのには興味が引かれ、写真-3は同町の墓の様子で、中央の墓石表面には観音もしくはマリア像が彫られ、右側面には『古志らう』と刻まれている。

 

 佐々木小次郎は宮本武蔵との世にいう『巌流島の決闘』のあった1612(慶長17)年4月13日に敗れて死すが、その妻がキリシタン信者であったためにこの地に逃れて真言宗正法寺に身を寄せ仏門に入り尼になり夫、小次郎の墓を建てたと伝わるが、小次郎自身出生などはっきりしないところも多く、多くは伝承、特に吉川英治が書いた『宮本武蔵』内で創作した事柄が事実のように伝わっていることが多い。

 

 この墓が本当に小次郎と関係があるのかはともかく、今回の不祥事を起こした阿武町は佐々木小次郎ゆかりの地と思うと印象もまた違って来るが、事件は容疑者が起訴されるか、或いは裁判で有罪の場合の量刑はどの位なのかという段階に入っていて、当分の間町はこの問題から抜けることはないであろう。


  Homepage: http://cebushima-blg.jugem.jp/
Updated: 2022/06/03 (金)

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