フィリピンの貧困の連鎖を断ち切るボランティア
フィリピンでは日本のNGO NPOをはじめ世界各国の国際協力団体がインフラ整備、教育の普及、そして食料配給などの支援を行っています。
日本人にはリゾートで有名なセブにも、セブに定住し現地の人々と交流しなが支援活動を行っている日本のボランティア団体があります。
子どもへの教育支援に力を注ぎ、2011年からフィリピンのセブで活動しているボランティア団体 グローリアセブもそのひとつ。 グローリアセブのミッションは貧困家庭に生まれた子でも義務教育が受けられるような環境をつくること。 それがフィリピンから貧困をなくすための遠くて近い道のりだと考えているからです。
フィリピンではどんな日本のボランティア団体が活動しているのか
フィリピンではJAICAをはじめたくさんのボランティア団体が活動をしていますが、中でもNGO団体が一番多く、次いで学生ボランティア団体、NPO団体と続きます。
セブの例ですと日本のNGOが7団体、NPOが3団体、そして10を超える学生ボランティア団体が支援活動を行っています。
これらの団体を大別すると ・日本人がフィリピンに常駐し活動している団体 ・日本在住のスタッフがフィリピン人を雇用して活動をしている団体 ・不定期にフィリピンを訪問し、滞在中にボランティア活動を行う団体 の3つ。
支援の内容にも幅があり、子どもを対象とした支援、インフラ支援、そして収入支援に分かれます。
また、細部を見ていくと同じ子どもでも貧困家庭の子から普通の家庭の子、年代も小学生から大学生まで各団体のミッションは異なっています。
求めらめているのは継続的な支援
例えば道路や下水道、建物などのインフラを整備すれば人々は快適な生活を送れますが年月が経てばやがて老朽化します。
セブには日本の政府開発援助政策で建てられた大きな橋や道路、トンネルがありますが老朽化しても行政には修理する予算がなくそのまま放置されてます。
インフラ整備は一時的には多大な支援となりますが、途上国フィリピンではそれを維持管理することはできません。
人間にとって最も大切なのは食べること。 特に満足な栄養を摂れない貧困家庭の子どもには栄養のある食事の提供が必要不可欠です。 週末にはセブの教会などでフィーディングと呼ばれる食事配給活動が行われていますが、食事を終えた子どもはまた時間がたてばお腹を空かせます。
毎日三食、一年間、大勢の子どもたちに食事を提供し続けることはできません。
貧困から脱し自立するためには教育が最も重要 フィリピンから貧困をなくすためには子ども教育が最も大切だとグローリアセブは考えています。
貧困層の人たちは満足な教育を受けることができず、知識や社会常識に乏しく貧困から脱する方法を知りません。
お母さんが物売りをしていれば子どもも物売りをします。
物乞いで暮らしている家族なら物乞いしか収入の術を知りません。
フィリピンの義務教育、幼稚園、小学校、そして高校に通うことができれば教養が身に付き、視野が広がり、将来へ夢を持ち、そして自立して生きていくための手段を自分で考えることができます。
教育援助は一過性の支援ではなく、将来につながります。 教育を受けた子どもは教育の大切さを身をもって知り、将来自分の子にも教育を受けさせようとします。
グローリアセブの奨学金は貧困の子どもが対象 グローリアセブではストリートチルドレンが義務教育を受けられるよう奨学金制度をつくり学費や学用品の支援をしています。 日本と異なりフィリピンでは奨学金は返金の必要がありません。
この奨学金の財源は寄付やボランティアの参加費で賄われるほか、里親を募集し子ども支援の費用に充てています。
フィリピンの公立小学校の場合、年間で必要な金額は約1万5千円と言われていますが、そこには通学費や昼食費は含まれていません。 実際にかかる費用は3~4万円に膨らみ貧困家庭には大きな負担となっています。
就学を継続するための補助教育ボランティア 学力に劣る貧困層の子どもは学校に通っても授業についていけず学校嫌いとなり、やがて通学をやめてしまうケースが多々あります。 フィリピンの公立小学校では生徒の10~30%が卒業せずにドロップアウトします。
グローリアセブでは週末や放課後に家族の仕事を手伝い路上で物売りをしている子どもたちを対象に、毎週青空教室を実施し社会のルールや道徳、そして英語のレッスンを行っています。
一方的に教えるのではなく子どもたちが抱えている悩みや学校での出来事にも耳を傾け、楽しく飽きの来ない授業を心がけています。 教養に乏しい子どもは感情の起伏が激しく、飽きやすく、集団行動が苦手です。
青空教室は義務教育とは異なるノンフォーマル教育ですので、授業と言うよりは子どもたちとコミュニケーションを取りながら、学ぶことの楽しさと大切さを分かりやすく教えることが大切になります。
家庭の事情で学校に通うことができない子どももいます。 一番多いケースは両親がいなく近隣の人や遠い親戚に預けられている子ども。 食事や衣類は面倒見てもらえますが学校に通わす余裕はありません。
グローリアセブでは本来なら学校に通うべき就学年齢の子どもたちを対象としたフリースクールを開校し、アルファベットなど基礎的な英語や簡単な算数を無料で教える活動をしています。
それは教育だけではなく子どもたちが小学校や幼稚園に入学できるよう入学手続きの代行、文具や制服の提供など子どもの保護者代わりとして支援を行っています。
フィリピンのボランティア団体の活動に参加して貧困社会を知る グローリアセブでは国際協力や途上国の貧困を学びたい方のためのボランティアプログラムを用意しています。
ストリートチルドレンやゴミ山、スラムの子どもたちと交流したり情操教育にかかわるボランティアに参加することでフィリピンのリアルな貧困社会を知ることでしょう。
そこにはテレビやネットでは絶対わからない真実があります。
グローリアセブは日本人スタッフがボランティアに同行するので初めて海外ボランティアに参加する人でも不安はありません。
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