 国会議員の収入不透明なのは万国共通だが、フィリピンでも議員の『資産・負債報告書=SALN』があって、このほど2010年度分の純資産額が公表された。
純資産額は資産額から負債額を差し引いた額になるが、これはあくまでも議員個人の資産であって、家族に資産を分散して置けば捕捉できなく、参考までと考えた方が良い。
今回は上院議員23人、下院議員284人からなるが、上院では不動産王のヴィリヤールが1位で7億2,520万ペソ(約13億円)だった。
ヴィリヤールは昨年の大統領選挙に資金力にものをいわせて立候補したが、その金持ちぶりに反発を受けてよもやの3位で落選した。
3位にマルコスの息子が3億1,150万ペソで入っているがこれは不正蓄財した一族の分が巧妙に資産となっている可能性が高いが藪の中である。
上院議員で最下位は長らく拘置されていたトリリャネスで380万ペソ、ちなみに上院議員の歳費は月3万5,000ペソ(約6万3,000円)。
下院議員ではボクサー兼業のパッキャオ(写真)が11億3,400万ペソ(約20億4,000万円)と上下院通じて1位となった。
パッキャオは先日行われた試合でファイト・マネーが3,000万ドルともいわれ、アメリカ経由の収入のため隠すことは難しく、正直申告に近いようだ。
一方、最下位は政党リスト制で選ばれた議員でたった7万5,000ペソ余、普通の労働者以下の資産額でなっている。
この他下院議員では不正蓄財のイメルダ・マルコスが3位、在任中の汚職関与で追及されている前大統領アロヨが17位に入り、権力と金が密接に関係しているフィリピン政界の実情が分かる。
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