5月9日に行われた選挙で地方自治体の首長などの当選が次々と宣言され、セブ州知事選では再選を目指したアキノ与党の自由党(LP)のダビデが当選。

セブ州知事は長年地元の英字紙サンスターを経営するガルシア一族がその座に就いていたが、前回選挙で4期連続禁止規定のために下院選に回った女性知事グエン(なお、グエンは下院選に今回再選)の後、一族の人間を世襲させるために擁立したが、今回再選された知事に敗れた経緯があった。
今回は雪辱を期するためガルシア側は巻き返しを図ったが、結果は59万票対57万票の僅差で奪回はならなかった。
ガルシア一族は他の州内の選挙でも身内の候補者を落としていて、以前のようなセブを牛耳った栄光は戻らないと見られている。
なお、副知事選挙は69万票対46万票の大差でLPの候補が再選された。
注目のセブ市長選だが、こちらはオスメニャ一族のトマスが長年市長職を続けていたが、やはり4選規定でトマスが下院議員に立候補し当選した時、取り敢えず留守番役に、やはり政治一族の流れを汲む子分同様のラマにやらせたが、このラマが在任中に力を付けて市長再選を目指し、前回選挙では僅差でトマスが敗れる波乱が起こった。
今回の因縁の対決は26万票対23万票でLP所属のトマスが勝利して奪還に成功し、再び長期に市長の座を占めることが予測され、新味のない政治が継続される模様。
一方、副市長選はラマ側が組んだ候補が25万票対22万票で当選し、市政は別々の党派が正副市長となる結果になったが、フィリピンでは珍しい結果ではない。
この他、セブ市に隣接するマンダウエ市は下院議員のキソンビンが現市長のコルテスと双方で鞍替えして立候補。
対する候補者は前マンダウエ市長であった政治一族のオワノから立候補させたが、キソンビン8万5千票対6万5千票で落選。市長の座の奪回は潰えた。
なお、キソンビンとその座を交換したコルテスは下院選に当選。どちらもLP所属だが、公職をたらい回しにして座を維持する手法に批判は多いが、フィリピンはこれが当たり前。
大統領選で勝利したドゥテルテもダヴァオ市長の座をこの手で維持し、今回も娘(この人物は2期目になるが1期目の時は父親であるドゥテルテが副市長に回った)を立候補させて当選、ドゥテルテ王国は健在である。
【写真はセブ市庁舎入り口ロビーの様子】
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