フィリピンと韓国間で2019年6月から交渉を始めていた自由貿易協定(Free Trade Agreement=FTA)が10月26日、両国間で合意したことが宣言され共同宣言文に署名が行われた。 アセアン加盟10ヶ国中、韓国とFTAを締結した国はシンガポール、ヴェトナム、マレイシア、同日に正式署名をしたカンボジアに続いてフィリピンが5ヶ国目になる。
今回の妥結によってフィリピンは韓国からの輸入品目の96.5%の関税を撤廃し、韓国はフィリピンからの輸入品目94.8%の関税を撤廃する。
両国はFTA以前に東アジア地域の包括的経済連携(RCEP)協定に加わっていて、RCEPではフィリピンは韓国に対して全品目の89.2%、輸入額の92.7%に対して関税を撤廃していたが、今回のFTA締結によって更に撤廃範囲が広がった。
中でもこれまで韓国の主要品目である自動車輸入にかけられていた(5%関税)と自動車部品(3~30%関税)が撤廃されることになり、日本車と比較してフィリピン国内シェアが格段に落ちる韓国車販売には追い風となった。
しかしながら、多くの品目で関税撤廃が成されるが、農林水産物に関しては従来通りの措置が維持され進展はなかった。
なお、今回の発表は共同宣言での合意、署名であり今後両国間では国内法整備と、議会承認などを経て正式署名が行われ発効するが、カンボジアが今年2月に妥結を宣言してから正式署名まで8ヶ月かかっていることを考えると、フィリピンは2022年5月に行われる選挙以降になるのではと見られている。
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