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【公表】 計画だけは壮大な ミンダナオ島南部紛争地域開発 - フィリピンニュース, 現地生活 最新情報発信
政治
   
  【公表】 計画だけは壮大な ミンダナオ島南部紛争地域開発

 フィリピン政府と反政府武装組織『モロ・イスラム解放戦線(MILF)』との間に結ばれている合意に沿って、MILFは長年の武力紛争で疲弊した地域の復興、開発を推進するための計画『バンサモロ開発計画(BDF)』をミンダナオ島ダバオ市で開かれた会議で公表した。

 この計画は7分野に及んでいるが、2016年のMILFによる新自治政府発足までを第1期、アキノ政権後となる2016年~2022年を第2期、2022年以降を第3期としている。

 実施に置いては、ミンダナオ島南部地域にある現在の『イスラム教徒自治区(ARMM)』政府が当初は担当。

 その後2015年半ばまでには政府と合意している『バンサモロ基本法』の発効によって新設される暫定組織『バンサモロ移行局(BTA)』に引き継がれ、最終的には2016年半ばに創設される新自治政府の『バンサモロ』に移行する予定となっている。

 公表された7分野の概要は次の通り。①経済・生計=イスラム法に則った食品増産を目的とする農・漁業支援と施設整備。若年層を対象にした職業訓練や雇用創出、中小企業支援を行い、港湾施設開発や輸出加工区の新設。観光開発と関連インフラ整備。

 ②インフラ=道路、橋、空港、港湾の整備。物流を活性化するための基本プラン策定。電化を進めるための投資促進及び域内に広がるラナオ湖の水力発電開発と民間資金による配電組合の組織強化。

 ③環境・天然資源=環境と生態系に配慮した天然資源の持続的開発。排出される産業廃棄物や生活廃棄物の管理システム整備。

 ④社会サービス=安全な飲料水確保と衛生改善。健康保険加入促進、医療の充実化。成人や少数民族対象の教育、職業訓練の整備、実施。紛争で家屋の被害を受けた住民への住宅供給。民間資金による宅地開発。土地所有権などに対する見直し。

 ⑤文化・アイデンティテー=史跡指定や文化遺産の保護と博物館の新設。イスラム教徒や少数民族の歴史、言語などの教科書への記載。

 ⑥ガバナンス・公正さ=新設される統治機構の支援。住民投票のための広報、有権者登録。議員から行政府の長を選ぶ新自治政府への移行案策定。行政関連法の策定。ミンダナオ島に残る旧弊な土地所有を巡る紛争を防止するための区画地図作成、紛争仲裁システムの強化。汚職防止策と第三者機関によるチェック機能の強化。

 ⑦安全・正常化=MILF軍事構成員の武装解除と再就職。地域の治安維持機能強化。土地争い防止のための公的機関の新設。野放しになっている銃器類の管理と取り締まりの実施。

 今回のMILFによる公表だが、実施に置いては内外の多額な援助頼みであり、これらは何も進んでいない、あるいは進めるにしても非常に困難な項目であると自ら表明している状態で、アキノ政権とMILFが目指しているスケジュール通りに実施できるか早くも疑問符が上がっている。

 特に議会筋ではミンダナオ自治政府の発足と自治内容には『憲法』に抵触する項目があるとの見方が強く、議会で承認されても最高裁判所で自治政府関係の法案が『憲法違反』として裁定されるのではとの恐れもある。

 また、MILFの一連の政府との和平交渉に不満を持つグループが既に分派して武力闘争を展開中で、MILF自身がやはり分派した組織である歴史を顧みるとミンダナオ島の平和は容易でないとの見方が強い。


Updated: 2014/12/02 (火) 09:46

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