10月12日から次期選挙の立候補受け付けが開始される中、大統領選に出馬表明をしているビナイ副大統領【写真】の息子でマカティ市長(現在停職中)『ジョジョマル』に対して、公務員の汚職問題を扱う『行政監察院』は免職処分と公職からの永久追放の命令を10月9日に出した。
これに対してビナイ側は反対陣営が仕組んでいる政治的処分だと反発を強め、決定を不服として再考申し立てを裁判所に起こす構え。
マカティ市はフィリピンで一番財政の豊かな自治体で、副大統領のビナイが3期連続9年以上続けられない制限の中、妻や息子を間にリリーフさせて自身がまた戻る手口を駆使して、マカティ市政にビナイ一族は29年君臨。
こういった政治屋の手口はフィリピン全土で当たり前に行われていて『権力は腐敗する』を地で行く政治風土となっている。
免職処分を受けたジョジョマルは父親が副大統領選に出た時、父親の後を継いで市長選に出て当選、現在2期目に当る。
今回の処分によってジョジョマルは3期目には立候補できないため『ビナイ王朝』とまで言われたマカティ市長職の独占は崩れる可能性も出ている。
行政監察院の処分理由は2007年にマカティ市が第2市庁舎として建設した11階建ての入札に絡むもので、特定の業者に便宜を図り、かつ建設費の水増しが行われたとしている。
また、ビナイ副大統領に関しては市長時代の数々の疑惑が指摘されていて、独走態勢だった次期大統領選の支持率が日を追うごとに下落し、現在は3位に陥落する状況となっている。
ビナイは既に選挙運動を副大統領の職務を放棄するような状態で行っていて、10月9日にはセブにやってきて、1万人を集める集会を開催した。
この集会ではセブ市長が登場しビナイ支持を明らかにしている。また、セブの政治屋一族のガルシアも支持を表明していて、一方のやはりセブの政治屋一族のオスメニャの去就が注目されるが、勝ち馬に乗ると見られている。
またセブの中国系はビナイ支持を固めている模様。こういった動きの中でビナイは前回副大統領選では、セブを含むヴィサヤ地区では不人気のため票を集めていなくて、次回選挙でも票は集められないのではと見られている。
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