10月15日にあった『ボホール・セブ地震』の現地視察を16日に済ませたアキノ大統領は翌17日、チャーター機でフィリピンの大統領としては初めての韓国を公式訪問した。
また、これは韓国の朴大統領が就任してから外国首脳を招いた最初ともなった。
アキノ大統領は同日朴大統領と会談を行い、韓国の対外経済協力基金による借款供与の契約書に署名。
また軍事分野での協力とスポーツ分野での交流関係の覚書に調印した。
これに対して朴大統領は、韓国製ジェット戦闘機『FA‐50』【写真・同型機】をフィリピン政府が本年1月に導入した決定に感謝の意を表明。
この戦闘機導入は、李明博前韓国大統領が2011年11月に、フィリピンを公式訪問した時に売り込まれたもので、フィリピン側の今回の購入機数は12機、調達金額は約190億ペソ(約400億円)を予定している。
FA‐50は韓国が『ロッキード・マーティン』社の技術支援を受けて航空機製造会社『韓国航空宇宙産業』が開発したもので『T-50』練習機の派生型になる。
FA‐50は機関砲、空対空ミサイル、ロケット弾及び爆弾搭載可能で、インドネシアも導入を決めている。
今回のFA‐50導入は、フィリピン空軍にとっては現在保有する稼働ジェット機が4機しかない現状から大幅な充実になる。
また南シナ海のスプラトリー諸島(50余の島と岩礁で構成。他に台湾、ヴェトナム、中国も領土権を主張中)を巡る、中国の突出した覇権主義、領土拡張政策に対して力となるが、実際これがどれだけの戦略的意味が生じるのかは不明で、いたずらに中国を刺激するだけではないかの声も強い。
なお、フィリピン政府は南シナ海方面の軍事力強化のために、日本から巡視艇の無償供与決定。
アメリカから中古軍艦の購入済み、韓国製の軍艦導入検討と軍拡路線を歩んでいるが、満足に燃料費や代替部品を調達できない悪しき伝統があって、まずこれを払拭する必要があると指摘されている。
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