今年の5月13日(月曜日)にフィリピンは3年に1度の全国選挙が行われ、この選挙は正副大統領以外の上院議員半数と下院議員全員、自治体首長と自治体議員全員が洗礼を受け『中間選挙』と呼ばれている。

既に立候補の予備登録は終了しているが、公式選挙運動は解禁されていないにも関わらず、選挙戦は始まっていて、テレビでは金にものを言わせた候補者のスポット広告が流れている。
選挙運動解禁の4ヶ月前になる1月13日、法律によって各種規制が始まり、国家警察などが検問強化に乗り出した。
特に銃の携帯は厳しく取り締まられ、6月12日まで行われる。
これは現職下院議員や立候補予定者が相次いで殺害される事件が勃発したためでもあるが、選挙絡みの殺傷事件などフィリピンでは年中行事のようになっていて、取り締まりの実効性は疑われている。
実際、前回2016年選挙での銃器取り締まりでは、5ヶ月間の規制期間中に4661人が摘発されていて、摘発されていない数を考えると無法状態がまかり通っている。
この他、私兵団の創設や選挙区の新設や変更などの禁止、また現職候補者が自陣営に有利なるように公職を餌に引き込む配置転換の禁止なども対象となっている。
なお、選挙運動は2月12日から全国選挙である上院立候補者から順次始まるが、その期間は候補者による金品の寄付や贈答が禁止されていて、そのため逆に候補予定者によるこれら売名行為は駆け込みで激しさを増している。
フィリピンの選挙は毎回、死者何十人、負傷者何千人と当局から発表され、これが民主主義を標榜する国かと批判されるが、3年に1度の選挙はGNPを押し上げる経済効果もあり『お祭り』騒ぎである、悪しき伝統は変わりそうもない。
【写真は選挙業務を行うマニラの中央選挙管理委員会ビル】
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