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ENDO(end-of-contract)と名付けられている、6ヶ月ごとに労働者を解雇し、再雇用を繰り返す悪しき労働形態がフィリピンにはあり、ドゥテルテ大統領はENDOを大統領令で撤廃するように命じていた。

しかしながら相変わらずENDOを続ける企業が多く、労働雇用省は5月28日、改善が見られないと国内企業20社の名前を公表した。
悪質と指摘された20社の中にフィリピンへ進出している日系企業が6社も入っていて、海外へ進出する日本企業の問題が明らかになった。
特に日系の自動車部品製造会社がワースト10の中に3社も入っていて、この業界の労働者への搾取体制があぶり出されている。
この3社だが、全体6位に『スミ・フィリピン・ワイアリング・システム』社が4305人のENDO労働者を抱え、次に『フィリピナス・キョーリツ』社が全体8位の3161人、『古河オートモーティブ・システムズ・リマ』社が全体9位の2863人と指摘された。
12位にはミンダナオ島でバナナ栽培を手掛ける大手商社住友商事傘下の『スミフル』社が12位の1687人、電機メーカーの『ブラザー工業』が15位の1582人、日本電産プレシジョンが17位、1400人となり、これら進出企業がフィリピンの低賃金とENDO利用による労務政策の手軽さを狙ってフィリピンに製造工場を造ったことが明らかになった。
この問題に対して各社は『ENDOには関与していない』と声明、あるいは言葉を濁しているが、これら企業は人材派遣会社を通じて雇用する形態を取るため、直接の責任は人材派遣会社にあると逃げていて、そういった裏道雇用が通じない時代になっていることを知るべきと批判されている。
なお、今回の公表でワースト1位となったのはファースト業界最大手の『ジョリビー』社【写真はセブ島北端に新規開店した店舗】で、その数は14960人と膨大なENDO労働者で企業が成り立っている実態が明らかになり、ジョリビーを含めてファースト産業全体が『ブラック企業』と指摘された。
ワースト2位には大手商社伊藤忠と関係の深いパイナップ缶詰めで知られるアメリカ系企業の『ドール』社の10521人、3位には日本のNTTが出資するフィリピン長距離電話会社(PLDT)が8310人と続き、日本の資本の入った企業にENDO労働者が多いことも明らかになり、日本の海外進出企業の労働者感というのは前近代的な労働組合忌避、儲け主義であると指弾されている。
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