国際的な経済NPO『世界経済フォーラム』が、毎年発表する『国際競争力報告2013年~2014年度版』(Global
Competitiveness Report)で、フィリピンは前年度の総合力順位65位から59位へと上昇した。
これは直近の2009年(87位)、2010年(85位)、2011年(75位)、2012年(65位)から4年連続で上昇しているが、アセアン加盟国内で比較するといまだ下位グループに留まった状況となっている。
フィリピンより上位に入ったアセアン加盟国は総合力2位に入ったシンガポール、24位のマレイシア、ブルネイ(26位)、タイ(37位)、インドネシア(38位)となり、ヴェトナム(70位)、ラオス(80位)、カンボジア(88位)、ミャンマー(139位)と続く。
また調査部門別では、特に『インフラ』部門の評価が低く、96位となり、これはヴェトナム(82位)、ラオス(84位)よりも低い結果になった。
同様に『労働市場の効率性』部門でも100位となり、インドネシアの103位と並ぶ評価の悪さが目立った。
反対に、フィリピンがアセアン加盟国内で比較的優位に立っているのは、調査対象の13分野の内『マクロ経済=40位』、『金融市場の成長=48位』、『市場規模=33位』、『ビジネスの高度化=49位』などがある。
こういった結果を受けてアキノ政権は『汚職撲滅』や『手続きの効率化』などの成果が着実に表れていると自画自賛している。
しかし、フィリピンはアセアン加盟国内で高い7%台の経済成長率を誇るが、1300万人近く存在するといわれる、完全失業者及び不完全就業者の雇用創出に結びつかない実情もあって、早急な雇用環境改善の施策が求められている。
なお、今回の報告でトップは前回同様のスイス。また上位20か国に入ったアジアの国(地域)はシンガポール(2位)、香港(7位)、日本(9位)の3か国のみであった。
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