|
金になれば何でも行う、違法か、あるいはスレスレのビジネス、それに関わる輩は古今東西、浜の真砂の如くあるが、カナダ・バンクーバーからコンテナ103基に廃棄物(ゴミ)を積み込んでフィリピンに持ち込んだ問題を巡って、フィリピン政府と在フィリピンカナダ大使館、それと告発している議員、NGOなどが対立を深めている。【写真はコンテナ船の例】
このゴミ入りコンテナは2013年5月から2014年1月にかけてフィリピンに搬入され、アロヨ前大統領の地元、パンパンガ州のゴミ埋立地に捨てられている。
ゴミの中身は家庭用ゴミを中心とした一般廃棄物で、1992年スイスで調印された有害廃棄物の国境を越える移動を規制する条約には抵触しないが、フィリピンもカナダも同条約を締結しているため、今回の一般廃棄物と言えどもカナダ側は違法であると、告発する側は指摘している。
これらのゴミはカナダのごみ処理会社がフィリピンの企業と組んで行っているが、フィリピン側の業者が通関書類に『廃棄プラスティック』と虚偽の申告をしていて、関税局は同業者を関税法違反の疑いで司法当局に告発をした。
また、フィリピン外務省はカナダ大使館に対して、2度にわたって適切な対応を要請しているが、大使館側は『民間業者の問題』と関わりを避けている。
このゴミ入りコンテナに関しては日本にも前例があって、1999年、日本からフィリピンにゴミ2600トンを『再生可能な古紙、プラスティック』として搬入したが、医療用廃棄物が多数見つかった事件があった。
このゴミも日本側の業者とフィリピン側の業者が仕組んでいるが、業者は雲隠れ。そのため、在比日本大使館は巨額な税金を使って、122基のコンテナ全部を日本に送り返し、日本で焼却処分とした。
当時は在比日本大使館関係者の英断と持ち上げられたが、巨額の税金を使ったこの事件の責任の追及はなく有耶無耶で再発防止がどう取られたかどうかも不明。
このようにコンテナという密閉された入れ物に運ばれるゴミの摘発は時々あり、先進国のゴミの問題に関しては南北問題が生じていて、問題にはなるが金になれば受け入れる業者は多く、明るみに出たのは『氷山の一角』と指摘する者もいる。
特に原発から生じる『核のゴミ』に関してはどこの国も対策に苦慮していて、日本でも例外ではなく不完全な原子力技術を称して『トイレのない高級マンション』と言われている。
これら『核のゴミ』がフィリピンに持ち込まれる可能性がないとはいえない『ゴミ騒動』となっている。
|