 昨年12月、フィリピン国内16カ所で行われた看護師試験の結果が出た。受験者数は67,095人で合格者数は22,760人、合格率は34%弱、3人に1人の合格となった。
フィリピンの看護師試験は通常50%以上の合格率を保っていたが、近年は増え過ぎた養成学校出身の受験者の質が落ちた、あるいは試験機関側が増え過ぎた看護師資格者を防ぐために試験を厳しくしたなどの見方が流れる。
フィリピンにおける看護師は高収入が得られ、海外就労に近い道として一番人気のコースで新興の養成機関が林立している。しかし、満足なレベルに到達していない卒業生を送り出しているため、試験実施機関側は一定の合格率に満たない学校は取り潰すとまで宣言する騒ぎになっている。
このように看護師が溢れるように生まれているが、肝心の海外就労の道は以前ほど容易ではなくなり数万人規模の看護師が国内に余る異常な事態となっている。
こういった中、日本では2012年度の看護師国家試験が2月19日に行われ、経済連携協定(EPA)によって日本に派遣されたフィリピンとインドネシア人看護師候補者417人が受験をした。
昨年の日本の看護師試験では日本人受験者は90%以上の合格数字を出すのに対して、海外組は4%という低率、特にインドネシア人が15人合格しているのに対してフィリピン人は1人のみという成績で制度的な欠陥も露わになった。
この結果、フィリピン側は不満が募り『就労先は日本だけではない』との論理で試験取得見直しを求めているが、特別扱いするのは職種上難しく、合格率を上げるために日本語教育の事前研修などが行われているが、介護士の問題同様根本的解決を見いだせていない。
|