銅などの金属売却を持ちかけて10年以上、詐欺を働いていた犯罪一味がフィリピン国家警察犯罪捜査隊(CIDC)によって実態が明らかにされた。
一味はシンガポール人を主犯とし、アジア系外国人5人、フィリピン人5人の構成で、フィリピン人には元警官が含まれる。
一味の手口は架空の会社をフィリピンに設立し、インターネットを通じて海外の貿易会社に銅の売却を持ちかけ、興味を抱いて来比した相手に首都圏の倉庫に保管してある現物を見せて契約を結んでいた。
現物は貿易会社立会いの下にコンテナに積み込み施錠して安心させるが、一味はコンテナの施錠を外し中味をコンクリートブロックなどにすり替え船積みする単純な手口で犯行を重ね、判明しているだけでも2億3千万ペソ(約4億1千万円)を稼いでいた。
貿易会社がコンテナを開けて詐欺に遭った、騙されたと気づいても既に銀行決済で半額が一味に支払われており、一味は姿をくらまし連絡は不能となっている。
CIDCによると、こういった犯行はフィリピン内の税関や入管の政府職員が買収されて一枚噛んでいるために一味の摘発は難しいと見、実際海外に逃亡しているメンバーが3人いる。
今回、記者会見を開き注意を喚起しても、CIDCの1年以上の内偵でこれだけの情報を抑えていながら、逮捕状の発行を待っている悠長な捜査態度で終わってしまい、一味に対し強制捜査が出来なかったことに批判の声が上がっている。
|