フィリピンで買い物をすると、過剰にプラスティック袋を使用するシーンにぶつかり、これをゴミ袋として使用しゴミと一緒に廃棄するのが普通だが、中には河川、水路などに不法投棄する者も多く、これが排水溝を詰まらせ洪水の原因の一つと指摘されていた。
このため、首都圏を構成する7市はプラスティック袋の使用禁止の条例をかねてより定めていたが、6月20日からは大規模商業地が固まるマカティ市で同様の使用禁止措置が始まった。
これに対して、プラスティック袋を生産する関連業界は死活問題として『ポイ捨てをするフィリピン人のモラルの問題である』と非難を重ねている。
このプラスティック袋も生分解するタイプは濡れた品物、油物、冷凍食品などに最初の使用は認められているが、それを再び入れるレジ袋などは一切禁止された。
このため市場や零細な小売店ではコストの問題もあって生分解するタイプなど使えず、理想だけが先走る状態となっている。
また、紙袋への転換を求められているが、これもコストの問題から大手の小売店が採用する程度で広がっていない。【写真は最大手書店、文具店で使用の紙袋。資本力のある所は早々と転換をした】
マカティ市の条例の場合、違反すると個人には1000ペソ(約2500円)の罰金、あるいは5日以上30日以下の禁固、またはその双方が科される。
企業に対しては罰金5000ペソ、禁固30日以上1年以下、またはその双方が科され重い刑罰が適用される。
こういったプラスティック袋使用禁止は時代の趨勢ではあるが、国内のごく一部の自治体、地域だけで行っても効果は鳴く全国的に推し進めることを環境団体などは要望しているが、マカティ市が今回施行した条例は2003年に制定、その年度内に施行する予定だったが、その後10年間も留め置かれた実態があって、現実との兼ね合いの難しい規制となっている。
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