8月21日にセブ港近くで起きた大型フェリーと貨物船の衝突事故は、死者80人、行方不明者40人の大惨事となったが、水深40mの海底に沈没したフェリーからは大量の油が漏れていて新たな被害を生じている。
フェリーには燃料の重油や潤滑油を10数万リットルを積載、沈没以来重油がタンクから漏れて海面を漂い近隣の海岸に漂着、範囲は海流に乗って広がっている。
沈没水域の近くにはビーチリゾートで知られるマクタン島があり、既に島の南岸水域にあるマングローブ林には油が漂着し【写真、海面右手側、セブ港寄りの水面で衝突事故は起きた】海流の流れによってはビーチリゾートへの漂着も予想され、海岸の環境汚染と漁民、観光への影響が出ている。
こういった事態を受けてセブ州は『被災地宣言』を出し、油除去作業の対策に追われ、また。フェリーのタンク内に残る油を抜き取るために、日本のサルベージ会社が協力し作業に当たっている。
この汚染騒ぎで『セブでは魚は食べられない』とのデマが起き、市場などでは買い控える人が多い事態も発生。
しかしながらセブに入ってくる魚は、今回の汚染海面とは遠く離れた水域が漁場で全く影響を受けず、この事態を重く見たセブ市当局は、市長以下の幹部が魚を食べるパフォーマンスを報道陣に公開し、『安全性』をアピールしている。
今回の衝突事故に関して、原因究明の審問が始まって、双方の船長が責任を擦り合う事態に発展するなど、運航する船会社の責任逃れの問題もあって、簡単には解明されないだろうとの見方が強い。
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