11月21日(月曜日)午後、セブ市の山側に近いグアダルペ地区にある5階建ての建物を根城にして振り込め詐欺を働いていたグループが、内偵していた国家捜査局(NBI)の捜査員によって摘発された。
このグループは全員台湾国籍を持ち、女性数人を含む20代を中心にした若者で摘発者は24人に上り、摘発時にグループの数人は逃走を図ったが捜査員によって全員取り押さえられた。
また、犯行に使われた携帯電話、コンピューターや書類など多数が押収され、室内の様子はコールセンターのように個別の即席ブースが作られていて、組織的、計画的に犯行を企てていた事が判明した。
このグループは今年3月から犯行を開始したが、3ヶ月後には摘発を免れるために一時休業し、また再開する方法を取っていたが、台湾の捜査機関が詐欺グループのネット上のアドレスを解明し、セブで活動している事を突き止めた。
セブにおいてのこの手の詐欺犯罪は、台湾人及び中国人からなる69人の詐欺グループが昨年9月に摘発されていて、捜査当局によると今回の摘発は氷山の一角で、セブにはもっと大きな振り込め詐欺グループが暗躍していると見ている。
捜査当局の調べによると、グループは台湾と中国本土の高齢者を狙ってトラブルを装って連絡し、別のグループが警察や裁判所の人間に成りすまして連絡して巧妙に金を振り込ませる手口を続けていたが、被害者の中には台湾の引退した財務関係の元高官も含まれていたが被害額などは不明。
なお、摘発された24人は前の69人詐欺グループと同様に、それぞれの国籍によって出身国へ強制送還され、本国の法律によって立件される見込み。
今回の摘発ではセブを含むフィリピン国内が詐欺グループにとって絶好の場所に見られている事を裏付け、今回は台湾を舞台にした犯罪であるが、日本や韓国を舞台にする詐欺グループの存在も指摘されている。
【写真は同摘発のあった地区にある教会】
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