8月18日(日曜日)午前9時50分頃、セブ島西海岸中部にあるトレド市(人口18万人ほど)の中心部で、72歳(本籍茨城県)の邦人男性が自宅入り口近くで頭部を銃撃され死亡した。

銃撃したのはトレド市と山を越えた反対側東海岸にあるタリサイ警察の警官(33歳)で、同人は銃撃後に用意していたオートバイで逃走したが、その後勤務する警察署に出頭し逮捕された。
射殺された邦人は2005年頃から同市に住み、フィリピン人女性と購入した一軒家で同居していたが、関係がこじれて同居していた家に仕切りを設けて住んでいた。
そのため、土地と家の所有権を巡って争いが起きていて、逮捕された警官は邦人の元同居人の姉の恋人の関係であり、その辺りに殺害動機があるのではと見られている。
また、現地報道によるとフィリピン人の同居人は14歳の未成年とあり、未成年への性的虐待も殺害への引き金になったのではと見る向きもある。
今回争いの元となった一軒家は射殺された邦人が購入したものだが、フィリピンでは外国人の土地所有は認められていなくて、所有と称していても資金を出しただけで名義はフィリピン人になっている。
そのため、外国人が不動産を購入した時、名義を相手側にするが関係が破局し裁判沙汰になっても法律的にはフィリピン人側の手に落ちるようになっている。
今回の邦人射殺では容疑者には財産狙いではなく、射殺された邦人と元同居人側とのトラブルから恨みによる犯行と捜査当局は見ている。
こういった例は過去に数多く、言葉と法律事情に疎い日本人が全財産を相手側に取られてしまうことがフィリピンでは続出、今回のような殺傷事件も珍しくない。
特に中老年の邦人男性がフィリピンで余生を過ごすためにフィリピン人女性を迎え、金銭的な問題のない内は良いが、破綻すると目も当てられない状態となり、その多くは日本の常識をフィリピン側に押し付けることから始まっているといわれている。
【写真はトレド市の様子 右下の桟橋はネグロス島行きフェリー乗り場】
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