フィリピンで金(ゴールド)を巡る話は昔からたくさんあって、有名なのは戦時中に日本軍が隠したとされる『山下財宝』があり、今でもそれを実際に探し求めている連中や財宝掘り出しで出資を募る詐欺話など事欠かない。

金に強い中国人とは違って、鉛に金色を塗っただけで金に見せかける単純な手口で、金を搾取される日本人も多かった。
12月2日、日本人に金の延べ棒の話を持ちかけ騙したフィリピン人が首都圏マカティ市のホテルで国家捜査局(NBI)の捜査員による囮捜査で逮捕された。
調べによるとこの日本人は逮捕されたフィリピン人から1枚1キログラムの金の延べ板52枚、計52キログラムをフィリピンに移送する話を持ちかけられた。
この延べ板はシンガポールにあり関税局発行の輸送に関する偽造した書類を見せられ、その後、実物を見せるために日本人はシンガポールまで招待され、この延べ板をフィリピンに移送するには総額2200万ペソが必要と要求された。
そのため日本人は手付金として10月29日に330万ペソを支払った。
しかし、1ヶ月後の11月29日、更に330万ペソが必要と要求され、不安を抱いた日本人はNBIに駆け込み、調べた結果この話は詐欺案件と見なされ、囮捜査が実施され逮捕された。
この詐欺被害に遭った日本人とフィリピン人との関係は不明で、日本人がフィリピン在住者なのか日本在住なのか詳細は明らかにされていない。
52キログラムの金の時価はおよそ日本円で2億4000万円になり、こんな巨額な金をわずかな額で手に入ると考えた日本人も日本人だが、騙したフィリピン人の新手の巧妙な手口には捜査当局も驚いている。
【写真は事件とは関係ない金塊】
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