8月24日と26日、日本人女性と韓国人男性が、相次いで何者かに銃撃されて死亡したが、どちらもセブを基盤に事業を展開していて、在留する外国人から安全と見られていたセブの治安面に不安感が広まっている。
 24日の事件はセブ市に隣接するタリサイ市でインテリア雑貨類を製造し、輸出していた71歳の女性で、午後7時半頃に発生した。
【写真は同女性が経営する会社の製品】
被害者はセブに20年以上在住し、セブ日本人会会員でもあるが、同日、仕事帰りに寄った大型ショッピング・モールで買い物をし、日本製のSUVを運転し、ハイウェーと呼ばれる幹線道路に出てしばらくセブ市方面に走った先のガソリン・スタンド前に差しかかった所で銃撃された。
犯人はヘルメットに覆面をし、2人乗りのオートバイで運転席側に近寄り、窓越しに3発発砲し逃げ去り、被害者は顔などに被弾し現場で死亡が確認された。
その手際の良さから捜査当局は『殺し屋』による犯行と見て、モールから被害者は追尾されていたのではないかと、監視カメラ映像を調べている。
もう一つの殺害事件は26日午後6時20分頃、セブ市にあるモーテル室内で発生し、20歳のセブで食品とファーストフードなどを宅配する事業を展開する韓国人男性が射殺された。
日本人女性の事件は被害者のみ狙われたが、韓国人男性事件ではその40分後に、韓国人男性の会社のマネージャーが別の場所で、オートバイに乗った2人組に銃撃され重傷を負った。
このため、この事件は2人組が計画的に実行したと見られているが、24日の事件との関係は、職種が違うためにないと見られている。
日本人が走行中に射殺されるという事件は、20年くらい前にやはりフィリピンから家具、雑貨を輸入していた人物がモール前であり、この事件は全容が明らかになっている。
日本人の支払いが悪いのに過酷な要求に切れたフィリピン人製造者が殺し屋に依頼したもので、その殺し屋も逮捕されたが殺しの依頼料が1万ペソで、しかも半分しか払っていなくて、その安さに話題になった。
このように、フィリピンでは安く殺し屋を頼める現実があり、仕事上のトラブル、情痴トラブルなど、恨みを買って事件が起こることが非常に多く、また日本人の保険金絡み事件も殺し屋へ依頼した例が多い。
日本人女性の場合も、会社のガードマンを解雇した際のトラブルが原因ではないかと噂され、韓国人の場合は仕事上のトラブルと見られているが明らかになっていない。
このように、日本や韓国ではパワハラと騒がれて終わる事柄でも、フィリピンでは殺されることもあることを自覚して、フィリピンで仕事をする外国人は、フィリピン人を見下すことなく尊重してあるべきとの自省の声が多い。
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