 昨年8月24日、乗用車を運転しセブ市を通る幹線路で信号待ちをしていたセブ市在住の邦人女性(70歳)が、オートバイに乗った2人組に銃撃され死亡した事件で、日本の兵庫県警捜査一課と明石署は夫(77歳)を、殺人の疑いで6月12日逮捕した。
同事件は発生直後から夫の関与が指摘されていたが、夫は2014年にセブを離れ、兵庫県に住んでいたために日本とフィリピン双方の国境の壁が立ち塞がっていた。
事件解明が進捗したのは、セブで違法薬物容疑でセブの警察当局に逮捕された男女2人組の取り調べからで、捕まった女(27歳)が夫と愛人関係にあり、取り調べで『夫の指示で妻を殺害した』と供述した。
このため、セブ地検はこの男女2人組を殺人で起訴し、日本に住む夫の容疑を兵庫県警と共に固め、今月に入って日本に住む夫に対して裁判所は逮捕状を発行した。
ただし、フィリピンで逮捕状が発行されても当人は日本居住のため、効力が直接及ばないと危惧されたが、状況を固めていた日本の司法当局は逮捕に踏み切った。
殺害された妻と指示を出したとされる夫は、20年前からセブ市に隣接するタリサイ市【地図】で日本向けのインテリア雑貨を製造販売する会社を運営していて、経営状況は悪くなかった。
そのため、夫の殺害動機は愛人に2000万以上の資金をつぎ込んだ金銭トラブルではないかと見られていた。
2016年に離婚調停、2018年8月には離婚裁判が妻側から起こされ、事件はその直後に発生したため、離婚トラブルによる動機ではないかと見られている。
夫はフィリピン国内でDV容疑など2件の逮捕状が出ていて、フィリピンに入国すると逮捕されるために、愛人を通じて妻の殺害を命じたのではと見られている。
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