事件はマニラ首都圏パシグ市のヴィレッジ内で起き、3月28日(月)午後8時30分頃、犯行のあった家に訪ねて来た人によって血まみれの姿を発見し、病院に緊急搬送したが29日(火)午前12時45分に死亡は確認された。

被害者は事件のあった家に住む72歳の邦人と、同居する公立学校の教師をしている39歳の女性の2人で、どちらの遺体にも複数の刺し傷があり即死状態であった。
事件の通報を受けた警察は刺し傷の多さから怨恨による犯行とみて捜査し、監視カメラを調べたところ犯行のあった日の前の26日(土)午後1時頃に被害者宅から32インチ液晶テレビを持ち出す人物を特定。
また同時刻に犯行のあった2階から大きな音があったとの近隣の証言もあり、さらに捜査を進めて、被害者宅の向かいに住む男を犯人として特定し、31日(木)に強盗殺人の疑いで逮捕した。
72歳の邦人についての詳しい情報は発表されていないが、同人はフィリピン人女性と結婚してフィリピンに住んだが、その妻は死亡したために、妻の姪に当たる今回の被害者と同居していた。
この女性被害者と容疑者は恋人関係にあり、そこに事件の原因があったのではと見られている。
犯行に及んだ容疑者は誤って殺してしまったと供述しているが、捜査当局は犯行前にテレビを盗み出していることや犯行に使った刃物を用意していることから、計画的な犯行とみて調べを進めている。
今年になってセブの埋め立て地の海岸で邦人男性が殺害遺棄されている事件があり、こちらはいつも通りに捜査は進まず、フィリピンで殺害される邦人事件の迷宮入りは数多あり、今回は素早い犯人逮捕に至り、在留邦人間では評価する声も挙がっている。【写真は犯行のあった家を調べる捜査陣】
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