ドゥテルテ大統領が違法薬物容疑者を抹殺すると宣言し、過去5年間で1万人以上の人間が警察などの捜査機関によって問答無用に殺害されていて、裁判を経ない虐殺として国際的に問題になっている。
そういった強硬策を続けても違法薬物を使う人は減る様子はなく、薬物使用は貧困がもたらすフィリピンの病理であり、犯罪としての対策ばかりでは功を奏しないとの指摘が強い。
この違法薬物を扱ういわゆる売人側も一向に減る様子はなく、捜査当局は懸命に摘発をしているが一つを潰しても他に別のが出て来るモグラ叩き状態となっている。
最近でも9月7日にルソン島中部ザンバレスで500キロの覚醒剤(末端価格約70億円)になる500キロを押収し、関係した中国人4人を射殺。
中国人4人の内、1人は覚醒剤輸入の大物で、年齢は30代から60代、出身は中国沿岸部の福建省であった。
また同日にはマニラ首都圏ブラカンで覚醒剤(末端価格約11億円)、中国人3人が逮捕され、ザンバレス分と併せて1日の捜索で大量の覚醒剤が摘発された。
これら覚醒剤の出所は中国福建省と捜査当局は見ていて、本来中国側の取り締まりが大事なのだが、中国に巣食う違法薬物シンジケートの中国当局の摘発は進んでいない。
そのため中国国内で締め付ける思想統制より違法薬物摘発の方が重要ではないかとフィリピンの関係者には怨嗟の声が高い。
【写真は押収された覚醒剤。こうして押収された違法薬物がいつの間にか消えて売られているという芳しくない話もある】
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