フィリピンの平均年齢は23歳台で、老人大国の日本の46歳台の半分から若い将来のある国と見られているが、政府機関調査によると1人の女性が生涯に産むと見込まれる子どもの数を示す指標である『合計特殊出生率』が大幅に減少していることが明らかになった。
ドゥテルテ政権の発足した2016年の合計特殊出生率は2.7人であったが、その後の5年間で1.8人まで減少し、これはドゥテルテ政権が進めた人口抑制策の効果と自画自賛しているが、人口抑制政策は前政権のアキノ大統領時代にカトリック教会の反対を押し切って本格的に始めたもので、その路線を踏襲したに過ぎない。
1.8人という数字は夫婦で持つ子どもの数が2人以下となるが、政府統計では現在の平均的な家族の子どもは4.1人であり、急激な少子化が進んでいることが分かった。
人口抑制策は適正な家族プログラムを提示し、コンドームなどを無料配布するなどしてアキノ政権時代には600万世帯であったのが、6年間で200万世帯しか増えず必ずしも現政権で進んだといえない。
実際の年間の出生数だが、年間160~170万台の出生数であったのが、2020~2021年は新型コロナの影響もあって、100万人を切り、その結果2021年の人口増加は死亡数を引くと僅か40万人となった。
フィリピンの経済成長は若い層の人口増がもたらすといわれていたが、このまま行くと、日本型の人口構造になりかねなく、実際理想的な形であった人工ピラミッドの下部層は大きく凹んで来ている。
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