日本の自衛隊が海外に派遣されて、他の国と合同軍事訓練をしている事実は防衛省の体質もあって、どのように展開しているのか詳らかにされていない面が多い。

日本の海兵隊といわれる陸上自衛隊『水陸機動団』が9月8日から10月23日の日程で、フィリピン中部ルソン島スービックを拠点にして、アメリカ、フィリピンの同様組織と共同訓練を実施中に、自衛隊員1人死亡、1人重傷の交通事故が発生。
事故が発生したのは9月2日、深夜0時45分頃で、陸上自衛隊が発表したのは事故に遭った隊員が死亡した9月7日で、日本の新聞報道も同日付けであり、防衛省が事故の発生を、現地派遣部隊と共に意図的に隠蔽した疑いが持たれている。
自衛隊の作戦行動は1991年2月のペルシャ湾出動を皮切りに次々と海外派兵の既成事実が作られているが、海外での訓練中の事故死は今回が初めてとなった。
この事故は元アメリカ海軍基地を再開発したスービック港特別経済区内の道路片側2車線道路を走行中に起き、38歳の機動団所属の2等陸曹が死亡、中央輸送隊所属40歳の1等陸曹が重傷を負った。
事故に遭った車はトヨタのバンで、緩い右カーブの地点で対向車線に出た所、前方から来た大型トラックに衝突し、運転手は現地で契約のフィリピン人で運転手は軽傷であった。
事故を起こした車は作戦に参加している隊員のための食糧調達をした後帰路中で、現場に降ったにわか雨で道路上が濡れていて、スピードを出して中央分離帯を越えた時にスリップしたのではないかと見られている。
交通事故としては単純な事故でありながら地元警察の動きは鈍く、事故解明などは自衛隊の協力を仰いで進めるとしているが、これは過去の外国軍隊が起こした事件を有耶無耶にしたのと同じ態度で、何もしないのと同じと現地では批判されている。
今回の作戦は『カマンダグ』と名称され、フィリピン及びアメリカの海兵隊と合同訓練を実施し、陸上自衛隊からは水陸機動団を中心に約80人が参加し、水陸両用車5両も日本から運び入れて訓練を行っていた。
なお、水陸機動団は南西諸島などの島嶼に敵が上陸したと想定して、2018年3月に創設されたばかりの専門組織で、規模は3000人、長崎県佐世保市にある相浦駐屯地に本部が置かれている。
【写真は現地紙に載ったスリップ跡が残る事故現場と事故車の残骸など】

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