オーストラリア人3人の乗るヨットが、ミンダナオ島北端近海で船体に穴が開いて沈没。ブイに掴まって6日間漂流した後、12月17日にミンダナオ島北端にあるデナガット島沖で地元漁師に救助された。
この3人はオーストラリア・クイーンズランド州を出航し、乗組員の1人がルソン島中部ラ・ウニオン州に住むフィリピン人女性と結婚しているため、同地方近くのスービック港を目指していた。
しかし、先の戦時中に日本海軍の戦隊が全滅したスリガオ海峡近海を通過中に、折からの台風に見舞われ船体を破損した。
ヨットの仕様などは不明だが、台風が直撃し、島の多い同海域を航海していることに対して、ヨットを知る関係者からは油断があったのではないかと指摘されている。
船体を放棄した3人は搭載のブイに掴まって同海域を6日間漂流し、17日、午前10時頃に救助された。
救助された3人はデナガット島のタンダグ市にある病院へ収容されたが、73歳の乗組員は同病院で極度の脱水症状のために死亡が確認された。
残る74歳と68歳の乗組員は一命を取り止め、回復に向かっているがより設備の整った病院へ移送される予定。
フィリピン近海はヨット乗りにとって憧れの海域であるが、昨年10月にミンダナオ島スールー海で、ドイツ人男女2人が乗ったヨットが同海域に出没する海賊に襲われて、女性は惨死体で発見され、男性は行方不明という事件が起きている。
同ヨットはマレイシア・サバ州からスールー海に入り襲われているが、船足の遅いヨットで同海域を航海することは常に危険が伴うと、治安当局は警報を出している。
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