2006年アロヨ政権下で開催された第12回アセアン・サミットに間に合わせるために、突貫工事で建設されたCebu International Convention Center=CICC(セブ国際会議場)が地元であるマンダウエ市に買い取られることになった。

CICC【写真】は前セブ州知事のガルシアが強力に進めたプロジェクトであったが、将来の利用の展望など全くない状態で建設されたために、セブ州のお荷物状態となっていた。
CICCはマンダウエ市の埋め立て地にあり敷地面積3.8ヘクタールに3階建ての建屋2万8000平方メートルを持ち、総工費は1千万ドルとされている。
第12回アセアン・サミットに間に合わせるために工事を始めたが、結局12月の会議に間に合わず『台風』被害を理由に会議を翌年1月に延期する外交上の大失態を演じてしまった。
その後、細々とローカルな会議が行われていたが、セブにはホテル付属の立派な会議場があって、わざわざ公費をかけて会議場を作る事はないとの批判は強かったが、当時のセブ州知事の見栄で建設された。
2013年にあったボホール-セブ地震で構造物にダメージを受け、その後に続いた猛烈台風『ヨランダ』によって外壁など相当の被害を受けたが、被害箇所をそのままに放置する程将来性は失っていた。
そこで買収に乗り出したのが地元マンダウエ市長だが、報道によると、政府機関のCICCの評価額は3億5千万ペソ。これは約730万ドルとなっていて建物の価値はほとんどなく土地の評価と専門家は見ている。
マンダウエ市長は4回に分けて支払い、今年は7千5百万ペソを支払い、来年に7千5百万ペソ、2019年までに全額を支払うと言明。
マンダウエ市には前市長の時代に古い市庁舎から20階以上の新市庁舎建設の計画があり、その新市庁舎はCICCを取り壊した跡地に建てられるのではとの観測もあるが、市長は研究中と言葉を濁している。
また、現在CICC前にはショッピング・モールがあり、海側には大きなホテルも建設中であり、CICCのある場所は商業開発地域としても有望と見られているのが市長の決断を促したと見られている。
なお、現在のCICC内敷地には近くであった大火の被災者が多数、臨時の小屋掛けで長く暮らしている状態で、市がこの場所を何に再利用するにしてもこの対策も緊急課題となっている。
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