1998/6/30 |
ジョセフ・エヘルシト・エストラダ新大統領、犯罪および汚職撲滅と国民の生活改善を誓う。 |
1998/7/7 |
ココナツ王エドゥアルド・コファンコ、サンミゲル社の会長兼最高経営責任者に復帰。 |
1998/12/15 |
国家警察、問題のクラトン・バレレン事件に関与したとされる27人の警察官に対する行政告発を却下。 |
1999/2/15 |
国家捜査局(NBI)、30億ペソの受託収賄容疑に問われた大統領府全職員の嫌疑を晴らす。 |
1999/3/16 |
フィリピン娯楽ゲーミング公社、公開入札なしで「ビンゴ2ボール」の開催権をベスト・ワールド・ゲーミング社に付与。 |
1999/7/29 |
マリキナ地裁、エストラダの友人でフォーチュン・タバコ社のオーナーとして知られるルシオ・タンに対する252億7,000万ペソの脱税訴訟を却下。 |
1999/9/13 |
大統領府、税関が差し押さえた輸入高級車使用で告発された政府高官を告訴するよう議員に要請。 |
1999/10/10 |
ベスト・ワールド株価、年初から38倍に暴騰。 |
1999/11 |
エストラダ、ユロ住宅問題担当大統領顧問が数件の汚職事件に関与しているという報告を軽視。 |
1999/11/15 |
大統領府、パンフィロ・ラクソンを国家警察長官に任命。 |
2000/2/9 |
エストラダ、「様々な賭博に関する専門知識はフィリピン娯楽ゲーミング公社の顧問として適任だ」と友人のチャーリー・アトン・アンを弁護。 |
2000/3/13 |
エストラダ、3億490万ペソの消防車購入で映画業界の仲間ノラ・アウノールとパキト・ディアスが仲介したことを否定。 |
2000/3/21 |
アプロディシオ・ラキアン大統領首席補佐官、「大統領は酒を飲みながら深夜に政策を決める」という発言で事実上の辞任。 |
2000/5/11 |
上院、慈善基金の不正流用で告発されたエストラダ夫人と長男のサンファン町長ジンゴイ・エストラダの容疑を晴らす。 |
2000/5/22 |
11時間に及ぶ政府とルシオ・タンとの話し合いの結果、6月9日にフィリピン・ナショナル・バンク(PNB)株80%の入札実施を決定。 |
2000/7/24 |
フィリピン調査報道センター、エストラダの資産公開には本人や一族がかかわっている事業利益の重要な部分が公開されていないと報道。 |
2000/8/21 |
フィリピン調査報道センター、エストラダ一族のアンティポロ市住宅プロジェクトに違反があると報道。 |
2000/10/3 |
ルイス・シンソン南イロコス州知事、この日の午後11時ごろにマニラ市マラテのサンマルセリノ通りで警官に停車を命じられ暗殺されそうになったと主張。 |
2000/10/4 |
シンソン、「ビンゴ2ボール」に関する不正と違法賭博フエテンから月に3,300万ペソ余りをエストラダが受け取っていたことを暴露。エストラダ一族を含め関与した側近の名前を明らかにすると公言。 |
2000/10/5 |
テオフィスト・ギンゴナ上院議員、特別演説でエストラダは過去2年間にフエテンから2億ペソ以上のワイロを受け取ったと非難。
フランクリン・ドリロン上院議長、上院ブルーリボン委員会が正式にシンソンの主張を調査すると宣言。
エストラダがフエテンからの送金を管理するため雇った公認会計士ヨランダ・リカフォルテ、ロサンジェルスに向け出国。
違法賭博フエテン王とされるロドルフォ・ボン・ピネダもカルフォルニアに出発。 |
2000/10/8 |
エストラダ、「ビンゴ2ボール」の無期限中止を命じる。また、フィリピン娯楽ゲーミング公社と友人チャーリー・アン経営のプロミネント・マネージメント・アンド・コンサルタンシー社との契約破棄を命じる。 |
2000/10/9 |
シンソン、エストラダを「全フエテン支配者の首領」と主張。また、タバコ物品税の南イロコス州割り当て分から1億3,000万ペソをエストラダに与えたと主張。
大統領府、97年から98年のおよそ20億ペソの州財源をシンソンが流用したとされる疑惑の会計検査委員会報告書を発表。
上院ブルーリボン委員会、フエテン疑惑に関する聴聞会を開始。 |
2000/10/10 |
ジョン・オスメーニャ、オレタ・アキノ両上院議員、99年4月にシンソンからそれぞれ100万ペソの寄付を受け取ったことを認める。その後全額返却。
行政監察院、エストラダがフエテンからワイロを受け取ったと主張するシンソンの申し立てを独自に調査開始。 |
2000/10/11 |
シンソン、上院ブルーリボン委員会聴聞会で毎月フエテンからのワイロとして大統領子息のジンゴイが200万ペソ、ジュードが50万ペソ受け取っていたと証言。シンソン、フエテン収益金を受け取っていた人物の名前が記載された21ページの元帳を提示。元帳にはホセ・ハイメ・ポリカルピオ大統領議会連絡事務局長、アントン・プリエト大統領補佐官、ロベルト・ラスティモソ元国家警察長官、実業家ウイリアム・ガッチャリアンの名前があった。
マニラ大司教ハイメ・カーディナル・シン枢機卿が委員長を務めるマニラ大司教区長老評議会は声明書で、「エストラダは統治に対する倫理的支配権を失った」として大統領の辞任を求める。 |
2000/10/12 |
グロリア・マカパガル・アロヨ副大統領、社会福祉開発省長官を辞任。
ラモン・マグサイサイ上院議員とロイロ・ゴレス下院議員、与党フィリピン大衆党(LAMP)を離党。 |
2000/10/13 |
エストラダ、深夜のテレビインタビューで非常事態宣言の発令を否定、同時に辞任の意志がないことを表明。
下院野党議員20人がエストラダの弾劾支持を表明、さらに51人が支持を表明。 |
2000/10/14 |
エストラダ大統領、公営賭博中止を宣言、娯楽ゲーミング公社の民営化指示。 |
2000/10/17 |
カトリック教会が主催するエドサ聖堂での汚職抗議ミサにシン枢機卿、アロヨ副大統領、アキノ元大統領、ロコ上院議員、デビリャ元国防相ほか現職および元議員、アヤラ・グループ首脳、マカティ・ビジネス・クラブ会長等が参加。 |
2000/10/18 |
ヘヘルソン・アルバレス、エルネスト・ヘレラ、マイケル・デフェンソー各下院議員、26の市民団体および非政府組織と共に下院事務局へ弾劾告訴を提出。この時点で42人の下院議員が弾劾発議案に署名。
エストラダは主任弁護士としてエステリト・メンドーサ元訟務長官を起用。
6,000人から8,000人の市民がエストラダの退陣を求めてマカティ市アヤラ通りで抗議集会。
ラモス元大統領がエストラダ退陣要求を支持。 |
2000/10/19 |
エストラダ、韓国におけるアジア欧州会議(ASEM)への出席取り止め。 |
2000/10/20 |
フィリピン弁護士協会パンガシナン支部、上院ブルーリボン委員会の調査中止を最高裁に求める。
エストラダ、繰り上げ選挙実施を示唆。 |
2000/10/23 |
ランド・バンク・オブ・ザ・フィリピンズの役員、上院聴聞会で1998年度分タバコ物品税の南イロコス州割り当て分2億ペソが南イロコス州のビガン支店にあると証言。
聴聞会に出席するためリカフォルテ帰国。 |
2000/10/24 |
最高裁、上院調査差し止め請求を棄却。 |
2000/10/25 |
シンソン、上院聴聞会で98年度分タバコ物品税2億ペソのうち1億7,000万ペソの不正流用を許可したことを認める。
リカフォルテ、パシッグ市の病院に入院したため聴聞会を再度欠席。
エストラダ、虚偽の発言や違法賭博からのワイロ授受が証明されたら辞職すると言明。
旧友で元最高裁判所長官のフィリピン・ナショナル・バンク会長アンドレス・ナルバサ、3人からなるエストラダ弁護団の弁護団長に。
アロヨ、エストラダに辞任要求。 |
2000/10/30 |
リカフォルテ、上院ブルーリボン委員会聴聞会に出席、フエテン収益金を受け取っている人物の名前が記された元帳が存在することを認める。
野党のラウル・ロコ、ローレン・レガルダ両上院議員、エストラダの辞職を求める決議案を提出。
エストラダ、テレビ演説で辞任の意志を明確に否定。
マカティ・ビジネス・クラブやフィリピン雇用者連合など12の経済団体、エストラダに辞職を求める声明発表。これを受けたエストラダは信頼回復のため、経済政策をアロヨ副大統領に任せることを含めた7項目の政策を発表。
アンヘロ・レイエス国軍参謀総長とパンフィロ・ラクソン国家警察長官、憲法に従うと言明。 |
2000/10/31 |
アロヨ副大統領、経済調整評議会議長への就任要請断る。 |
2000/11/1 |
民間経済人からなる大統領上級経済顧問5人のうちガブリエル・シンソン元中銀総裁を除くワシントン・シシップ(SGV創業者)、セサール・ビラタ(リサール・コマーシャル銀行副会長、元首相)、ハイメ・アウグスト・ゾベル・デ・アヤラ(アヤラ社長)、ビセンテ・パテルノ(フィリピン・セブン社長)の4人が辞任。 |
2000/11/2 |
ネプタリ・ゴンザレス、ラルフ・レクト両下院議員、LAMP離党。
マニュエル・ロハス貿易産業省長官、アンジェリト・バナヨ政治問題担当大統領顧問、エドノ・ホーソン国家食糧庁総裁辞任。
シンソン元中銀総裁も上級経済顧問を辞任。 |
2000/11/3 |
ビリャール下院議長と党友40人、与党LAMP離党。弾劾発議案に署名。ドリロン上院議長ほか上院議員2人も与党離脱。 |
2000/11/4 |
エドサ聖堂で5万人規模の反大統領集会。 |
2000/11/6 |
フィリピン民主の戦い(LDP)、改革を条件に与党LAMPとの連立内閣にとどまることを決定。
国家安全保障会議招集、ラモス元大統領が12月中旬までの改革か辞職をエストラダに求める。
フィリピン商工会議所幹部の過半数がエストラダ辞職運動に参加。
下院司法委員会、上院裁判の道を開くエストラダ弾劾の勧告を承認、本会議への推薦を決める。
ドリロン上院議長、米議会規則を基に弾劾規則草案を上院事務局に指示。
ラモン・レビリャ上院議員、LAMP離党。 |
2000/11/8 |
フィリピン弁護士協会、エストラダ辞職運動に参加。
上院ブルーリボン委員会、2億ペソの銀行口座でエストラダのダミー役を演じたといわれるエドゥアルド・セラピオ弁護士を召喚。 |
2000/11/9 |
エストラダ、イロコス地方でのフエテン開催継続を許可する見返りとしてシンソン氏からあったわいろの申し出を拒否していたところ、セラピオ弁護士を通じて2億ペソが一方的に送金されたがそのまま手つかずだとラジオで釈明。 |
2000/11/10 |
エストラダ、外国人特派員協会主催の記者会見で汚職疑惑について徹底抗戦の構えを示すが、フエテン業者との交友関係を追求されさらに疑惑を深める。 |
2000/11/11 |
エストラダ支持派の集会に50万人以上参加。エル・シャダイ、イグレシア・ニ・クリストなどの宗教団体も参加。 |
2000/11/13 |
ビリャール下院議長、弾劾発議に必要な3分の1以上を上回る116人の署名があるとして本会議の冒頭、採決抜きで弾劾発議を可決、上院送付を決定。直後に議長不信任案が提出され可決、議長交代。同日、上院弾劾裁判で検事を務める下院議員11人の任命も承認。
上院でも連立与党を離脱したドリロン議長に代わってアキリノ・ピメンテル議員が上院議長に。
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2000/11/14 |
全国各地で大統領の辞任、罷免を求める一斉ストおよびデモ。 |
2000/11/15 |
上院、弾劾裁判の運営規則を決定。 |
2000/11/15,16 |
エストラダ、ブルネイのアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議に出席。 |
2000/11/17 |
検察側、大統領の愛人の喚問を検討。 |
2000/11/20 |
上院、弾劾裁判所開設。裁判長はダビデ最高裁長官、上院議員は陪審員、検察役は下院議員11人。宣誓式の後、大統領に正式に召喚状を送付、大統領府はこれを受理。意見陳述までに10日間(延期不可)の猶予が与えられる。弾劾理由は1)収賄、2)汚職、3)国民への背信、4)憲法違反の4項目。
フランシスコ・タタド上院議員、LAMP離党。 |
2000/11/21 |
テレサ・アキノ・オレタ、グレゴリオ・ホナサン両上院議員、LAMP離党。 |
2000/11/22 |
ブラス・オプレ、ホアン・ポンセ・エンリレ両上院議員、政治的連携の解消を求めるエストラダの忠告を拒否。
カジノ経営会社モンドラゴン・レジャー・アンド・リゾート社、パンパンガ州クラークの施設の再建遅延を図ったとしてエストラダとその仲間を告訴。 |
2000/11/23 |
エストラダ、シンガポールの東南アジア諸国連合(ASEAN)首脳会議に出席。
サルバドル・ダセル元広報官、行方不明に。
大統領府への進入を企てる自爆テロ。(未遂) |
2000/11/24 |
エストラダ弁護団、上院に弾劾裁判の差し止め請求。 |
2000/11/26 |
エストラダの退陣を求める大規模集会「1週間の抵抗運動」が始まり、マニラのキリノ競技場におよそ5万人が集まる。 |
2000/11/28 |
弁護士グループ、タバコ物品税横領容疑でエストラダ他6人を調査するよう行政監察院に要請。
3,000人以上の国立大学学生が授業ボイコットするなど各地で反エストラダ運動。
上院、弁護団の弾劾裁判差し止め請求を却下。12月7日からの裁判開始が確定。 |
2000/11/29 |
経営者グループが都市貧困層や労働者、市民グループと昼食を共にして反エストラダ派への取り込み図る。
エル・シャダイの指導者マリアノ・ベラルデ、エストラダを公然と支持してカトリック教会指導者シン枢機卿と対立。
科学技術省ウリアルテ長官が辞任表明。年内は閣僚にとどめると決めたエストラダはウリアルテが所属するカトリック教会グループ「カップル・フォー・キリスト」に入信。 |
2000/12/4 |
上院法廷、大統領の家族や愛人が関係する数カ所の邸宅を調査して弁護側証人が所持する書類の提出を求める検察側動議を却下。 |
2000/12/5 |
エストラダ、クリスマス前には弾劾裁判を終わらせたいと発言。さらにイメージやライフスタイルを変える必要はないと言明。 |
2000/12/6 |
検察と弁護側、証人を50人前後とすることで合意。 |
2000/12/7 |
弾劾裁判開始。リカフォルテ、アントン・プリエト元ビコール問題担当大統領顧問、ロベルト・ラスティモソ元国家警察長官を証人として召喚。 |
2000/12/8 |
検察と弁護側、証人を50人前後とすることで合意。 |
2000/12/10 |
エストラダ、キリスト生誕二千年を祝うためとして死刑囚を終身刑に減刑する恩赦を与えると表明。 |
2000/12/15 |
世論調査発表。有罪27%、無罪19%、わからないが50%。 |
2000/12/19 |
エクイタブルPCIバンクのゴー会長辞任。弾劾裁判で疑惑資金の動きを示す証拠の提示に消極的と国民の反発を買ったため。 |
2000/12/22 |
エクイタブルPCIバンクのオカンポ上席副頭取、不正蓄財に使用されたとみられる偽名口座「ホセ・ベラルデ口座」の所有者はエストラダと証言。 |
2001
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2001/1/2 |
弾劾裁判再開。オカンポ副頭取、大統領の指示によって問題の口座を別人の口座に見せかける工作をしたと証言。 |
2001/1/11 |
エスピリトゥ前財務長官、BWリソーセス(旧ベスト・ワールド・ゲーミング)株不正操作疑惑でエストラダも売買益を手にしたと証言。 |
2001/1/16 |
上院法廷、エストラダ銀行口座の開示を11対10で否決。無罪の可能性強まる。ピメンテル上院議長辞任。検察団全員辞任。エドサ聖堂で上院法廷の決定に反発する集会、エストラダの退陣求める。 |
2001/1/17 |
弾劾裁判、無期限延期。この日も市民数万人が抗議集会。 |
2001/1/18 |
抗議デモ拡大。エストラダ、辞任しないと宣言。 |
2001/1/19 |
エストラダ、繰り上げ大統領選を提案。アロヨ副大統領はこれを拒否。閣僚多数辞任。メルカド国防長官とレイエス国軍参謀総長、エストラダ支持撤回。軍や警察の幹部もこれに追随。マニラで30万人規模の抗議集会。 |
2001/1/20 |
抗議集会参加者、エストラダに退陣の圧力をかけるため大統領府に押し寄せる。
エストラダ、事実上の辞任となる大統領府退去。エストラダ政権崩壊。アロヨ副大統領、第14代大統領として宣誓。ダビデ最高裁長官がこれを承認。各国もこれを承認。 |
2001/1/24 |
上院弾劾裁判、正式に閉廷。 |
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